【詳報】菅首相年頭会見「飲食の感染リスク軽減を実効的なものに」<新型コロナ>

2021年1月4日 21時31分

年頭の記者会見で質問に答える菅首相(小平哲章撮影)

 菅義偉首相が4日に行った年頭記者会見の要旨は次の通り。
【冒頭発言】
 新型コロナウイルスは1日の感染者数が3000人を超え、重症者数も高い水準で推移しており、非常に厳しい状況だと認識している。政府としてはこうした厳しい状況を踏まえ、改めてコロナ対策の強化を図っていきたい。感染対策、水際対策、医療体制、ワクチンの早期接種の4点で強力な対策を講じることにした。
 12月の人出は多くの場所で減少したが、東京と近県の繁華街の夜の人出はあまり減っていなかった。昨年以来、対策に取り組む中で判明したことは、経路不明の感染原因の多くは飲食によるものと専門家が指摘している。飲食でのリスクを抑えることが重要だ。夜の会合を控え、飲食店の時間短縮に協力いただくことが最も有効ということだ。1都3県について先般、時間短縮の20時までの前倒しを要請した。
 そして国として緊急事態宣言の検討に入る。飲食の感染リスクの軽減を実効的なものにするために内容を早急に詰める。給付金と罰則をセットにしてより実効的な対応を取るため、特措法(新型コロナウイルス特別措置法改正案)を通常国会に提出する。
 年末にウイルスの変異種が帰国者から見つかり、外国人の新規入国を原則として拒否することにし、入国規制を強化する。ビジネストラックについても、相手国の国内で変異種が発見された際には、即時停止することにした。
 東京をはじめとするいくつかの都市で(医療体制が)逼迫する状況が続いている。各地域において、新型コロナウイルス(の患者)を受け入れる病院、病床の数を増やしてもらう必要がある。国として、看護師などの確保、財政支援を徹底して行い、各自治体と一体となって病床確保を進めていく。必要ならば自衛隊の医療チームの投入も躊躇しない。医療崩壊を絶対に防ぎ、必要な方に必要な医療を提供する。
 感染対策の決め手となるワクチンは当初、2月中に製薬会社の治験データがまとまるということだったが、政府から米国本社に強く要請し、今月中にまとまる予定だ。安全性、有効性の審査を進め、承認されたワクチンをできる限り2月下旬までには接種開始できるように準備を進めている。医療従事者、高齢者、高齢者施設の従業員から順次、開始したい。私も率先してワクチンを接種する。
 それまでの間、国、自治体、国民の皆さんが感染拡大を減少に転じさせるために同じ方向に向かって行動することが大事だ。これから新年会のシーズンを迎える。不要不急の外出などは控えてもらいたい。従来のウイルスも、変異種も対策は同じだ。マスク、手洗い、三密の回避をぜひお願いする。
 夏の東京五輪・パラリンピックは、人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして、また東日本大震災からの復興を世界に発信する機会としたい。感染対策を万全なものとし、世界中に希望と勇気を届ける大会を実現するとの決意の下、準備を進めていく。
【質疑応答】
 記者(幹事社・テレビ東京) 週内にも緊急事態宣言の発令が検討されているとの報道があるが、スケジュール感は。「Go To トラベル」の全国停止が11日までだが、停止の解除をどう考えるか。
 首相 政府として(基本的対処方針等)諮問委員会で考え方を聞き、飲食のリスクを軽減する実効的なものを詰め、表明したい。緊急事態宣言となれば、「Go To トラベル」の再開はなかなか難しい。
 記者(幹事社・時事通信) 今月召集の通常国会で目指す成果は。9月が任期(満了)の自民党総裁選や衆院解散への対応は。
 首相 国会では補正予算と来年度予算の早期成立を図り、コロナの特措法改正案を早期に提出する。デジタル庁設置、35人学級、行政手続きのはんこ廃止などの法案を提出し、国会で説明したい。衆院解散は、秋のどこか(終了後に官邸側が「秋までのどこか」に訂正)で衆院選を行わなければならず、時間の制約も前提にしながらよく考えた上で判断する。総裁選はまだ先の話で、まずは目の前の課題に取り組むことが大事だ。
 記者(読売新聞) 緊急事態宣言の経済への打撃を和らげる対策は。
 首相 最優先に行うべきは、リスクがかなり多いと言われる飲食を中心に対応すべきだと思っている。
 記者(フリーランス・江川紹子氏) 教育、文化、スポーツなど経済活動全てを止めた昨年4月の緊急事態宣言とは今回は違うのか。(香港紙)リンゴ日報創業者が拘束され、周庭氏が重大犯罪を収容する刑務所に移送されたとの報道があるが、中国の一連の問題をどう考えるか。
 首相 緊急事態宣言は限定的、集中的に行うことが効果的だと思う。また、中国が民主国家であってほしいということを日本政府も発信していきたい。
 記者(産経新聞) 緊急事態宣言をしなければならない状況に至った原因は。
 首相 東京都と近県で12月の人出があまり減らなかったということだ。この約2週間、1都3県だけで(感染者が)全国の半分になっている。4知事の要望も判断の1つの要素ではあるが、首都圏だけが抜きんでて多くなっていることを危惧する中で判断した。
 記者(フリーランス・大川豊氏) 強度行動障害の子どもが暴れ医療従事者に負担をかけるため、緊急事態宣言で病院から出されるという現実があるが、国の指針は。
 首相 それぞれの場所によって対応も違うので、国としてしっかりと指導し、障害者の方が安心できるよう支援をしていく。
【記者会見の流れ】
 菅首相の冒頭発言後、内閣記者会の幹事2社(各社の持ち回り制)が順に代表質問した。その後、司会の山田真貴子内閣広報官が挙手した記者の中から指名。本紙記者は指名されなかった。幹事社を含め6人が質問し、30分で終了した。

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