ケアして予防「巻き爪」「陥入爪」 伸ばしすぎない/適度に歩く

2021年1月5日 07時10分
 爪の端が徐々に内側へ巻く「巻き爪」。足の親指の爪で多く起き、皮膚が締め付けられるなどして痛みが出る。爪が食い込んで炎症を引き起こす「陥入爪(かんにゅうそう)」を合併する場合もあり、放置は禁物。軽度のうちに矯正や治療を始めることが大切だ。 (植木創太)
 「靴の中で指の位置が少しずれるだけで、たんすの角にぶつけたように痛い」
 愛知県豊橋市の女性准看護師(45)は十年来悩んできた巻き爪の痛みを、こう表現する。両足の親指の爪が内側に丸まってきており、昨年末、「爪の外来」を掲げる市内の塩之谷整形外科へ。湾曲を改善するため、院長の塩之谷香さん(60)は爪の両端に開けた穴からワイヤを通し、爪の表面に取り付けた。爪は伸びるため定期的な診察が必要だが、女性は「通してすぐ痛みが軽くなった」と喜んだ。
 足の指先には、立ったり歩いたりするたびに体重がかかる。爪は地面からの力を効率的に受け止める役割がある一方、内側へ巻こうとする性質がある。力が十分にかかっていればカーブは平らになるが、歩数が減るなどして力がかからないと徐々に丸まっていく。
 年間六千人を診る塩之谷さんによると、患者は歩く距離が減ってくる五十代以上が大半で女性が多い。コロナ禍で外出を自粛している人が多い今は要注意。巻き爪になると、痛みで踏ん張りづらくなるため、転倒しやすくなる。高齢者は、特に予防を徹底したい。
 適度に歩くことに加えて大事なのは「爪を伸ばしすぎないこと」と塩之谷さんは助言する。伸びすぎると爪の先が宙に浮いて地面から押されなくなるため、先から自然に巻き始めて、次第に根元も巻いていく。爪の長さは指先にそろえるか、指先より一ミリほど長い状態を保つといい。切るときは、爪先がまっすぐになるよう心掛け、皮膚に食い込まないよう角は整える程度=図1=が適切だ。
 一方で、痛みが強いなら「爪の治療」を掲げる整形外科や形成外科、皮膚科などの医療機関で、ワイヤなどの矯正具を爪の表面に装着。平らな状態へ近づけるようにする。重度でも根気強く矯正し続ければ改善が見込める。
 痛みを伴う爪の変形には、巻き爪以外に、爪の端が刃物のように皮膚へ刺さって傷つける「陥入爪」も。爪が薄い若い人に多く、足を踏まれるといった外傷や合わない靴、深爪などが原因だ。重症になると、強い痛みで指を浮かしがちになり、その結果、十分な圧力がかからなくなって巻き爪を併発しやすい。
 陥入爪は軽度なら、爪の下に綿を押し込んだり、爪の横にテープを貼って引っ張ったりして=同2、皮膚を爪から離すようにすると、ある程度改善できる。赤く腫れるなどの炎症は爪が刺さることが原因。細菌感染による炎症ではないため、消毒や抗生物質では治らない。悪化して、爪を作る根元の「爪母(そうぼ)」までを手術で取り除くと、生涯、元の爪の形に戻らないリスクもある。
 「巻き爪と陥入爪は爪の痛みとして一緒にされがちだが、原因も治療法も全く別」と塩之谷さん。併発すると治療に時間がかかる場合が多いため、「痛みを感じたら、早めに専門医で原因を突き止めてケアを」と呼び掛ける。

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