<ふくしまの10年・イチエフあの時 続く苦闘編>(1)ホースに穴 思わぬ敵

2021年1月5日 07時24分

汚染水の移送に使うホースの内側。雑草のチガヤが刺さり、汚染水漏れが起きていた=東京電力提供

 二〇一一年十一月ごろから東京電力福島第一原発(イチエフ)では、汚染水処理で使うホースに小さな穴が開く水漏れが相次ぎ、その対応に悩まされた。
 トラブルを起こした原因はイネ科の雑草チガヤだった。
 「敷地内の至る所にあるホースは仮設で、みんなむき出し。冬は凍結するから、保護材を巻いとかないとヤバイと言ってたんだ。早くから巻いていたら、防げたかもしれない。しかし雑草に突き破られるとはね」。事故前から働くベテラン配管作業員の男性はため息をついた。
 1〜4号機の建屋地下にたまった高濃度汚染水は除染装置などで処理された後、一部は冷却水に再利用。残りはタンクにためられる。この循環ループは約四キロあり、使われたホースは十数キロにもなる。
 本来なら保護した配管で結ぶところだが、一刻も早く汚染水処理を始める必要があったため、ホースは保護カバーもつけず、無造作に草地の地面にじか置きされた。
 東電の調査でチガヤが原因と判明したのは一二年二月のことだった。鋭い葉先が、成長するにつれてホースに突き刺さり、枯れた後に残る小さな穴から水が漏れることが確認された。
 現場ではホースから配管への取り換えを進めるとともに、ホースを防草シートやU字溝で保護するなどの対応に追われた。(片山夏子、山川剛史が担当します)
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