<山崎まゆみのようこそ!バリアフリー温泉>トラベルヘルパー 思い出づくりに集中できる

2021年1月5日 07時25分

換気などコロナ対策を十分取ったうえで、トラベルヘルパー(左)の介助を受けて入浴する父親。安全のためマスクを外している。1日1組だけ受け入れる温泉宿に娘とやって来た

 高齢者や身体の不自由な人のちょっとしたお出かけから、国内外の旅行まで、外出をサポートするトラベルヘルパー(外出支援専門員)をご存じでしょうか。
 「最初は『お墓参りに行きたい』というご依頼が多いんです」と話すのはNPO法人日本トラベルヘルパー協会会長の篠塚恭一さん。先祖の供養を目的とした旅でトラベルヘルパーを利用してみると、「自分はまだ旅ができる」と自信が持て、「次回はここに行きたい」と欲が出る。そして「いつかは温泉へ」と夢を膨らませるのだそうです。
 「旅はリハビリです」が篠塚会長の口癖です。コロナ禍において、トラベルヘルパー同行の旅は、不要不急の外出にも見えます。
 「余命宣告された人には、コロナ感染の怖さ以上に過ぎゆく時間との闘いがあります。依頼件数は少ないですが、いまの方が旅に出たいという願いは切実です。年末年始も『最後に故郷へ帰りたい』『最初の赴任地に再び行きたい』と、思い出の場所を訪ねる依頼があります」
 濃厚接触にはならないのでしょうか。
 「旅に出る人も同行するトラベルヘルパーも、出発前から帰ってきたあとまで人との接触を避け、毎日検温し、異常のある場合は速やかに連絡してもらいます。三密回避やマスク着用、手洗いなど基本的なコロナ対策も徹底しています」と篠塚会長は強調します。
 トラベルヘルパーを利用する場合は、旅の専門知識を持ち、介護や看護の専門知識と経験が豊富なスタッフがそろう「あ・える倶楽部」に問い合わせることをお勧めします。目的地や宿泊先を選ぶ際、利用客の希望をかなえるために東奔西走するスタッフの姿を私は何度も見てきました。安心して利用いただけます。
 旅全体のコーディネートは「あ・える倶楽部」本部が行い、旅先では教育されたトラベルヘルパーが付くという仕組みです。

車いすを押してもらい、素晴らしい景色も楽しめたという=いずれも静岡県伊豆半島で

 旅の最初から最後まで同じヘルパーを付けることもできますが、トラベルヘルパーは全国にいますから、旅先の近くで暮らすトラベルヘルパーに、入浴介助や食事介助のみに絞って依頼することも可能です。
 「介護し慣れていない私たちが疲れ果てながら母の面倒を見るよりも、家族の思い出づくりに気持ちを置くことの方が大切なので、何度も利用しています」と利用者は話します。
 そして現在は、旅行や外出だけではなく、生活を支える依頼も増えているそうです。
 「介護保険では対応できない困ったことがありましたら、気軽に相談してください」(あ・える倶楽部の篠塚千弘さん)
 (温泉エッセイスト)

◆データ

<あ・える倶楽部> 〒156 0051 東京都世田谷区宮坂3−24−11−1階 電話03(6415)6480、ファクス03(6415)6488。
<トラベルヘルパー基本料金>
障害が軽度の場合 半日1万6800円、1日2万8000円
障害が重度の場合 半日2万1600円、1日3万6000円

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