都心のオアシスが生まれ変わる 日比谷公園の再整備で「野音」も4代目に

2021年1月6日 05時50分
 官公庁やオフィス街に囲まれた東京都心のオアシス、都立日比谷公園(千代田区)が生まれ変わる。1903(明治36)年の開園から118年のことし、都は再整備計画を策定する。多くのアーティストに親しまれてきた野外大音楽堂(野音)も改築される予定だ。(岡本太)

日比谷公園の再整備イメージ。右上が皇居方面。東側の日比谷通りには銀座・有楽町方面への空中デッキを設ける(東京都提供)

 読書や昼寝など思い思いに過ごすことができる芝生広場、日比谷通りの上を歩行者が渡れる空中デッキの新設-。昨年12月、都公園審議会が公表した計画案の中間まとめには、将来の公園の姿がイメージ図とともに描かれた。

◆2033年に完成 日比谷通りまたぐ上空デッキも

 都は審議会からの答申を受け、年内に正式な整備計画を作り、工事の基本設計などを進める。2023年度ごろに着工し、約10年かけて段階的に整備し、開園130周年に当たる33年の完成を目指す。
 審議会の検討で最も目を引くのが、現在テニスコートや健康広場などとなっている公園北側のエリアだ。中間まとめは現状について「区域が細かく分断され、来園者を引きつける魅力に欠ける」と指摘。大芝生広場や球技広場などに再整備し、誰もが自由に利用することができる「HIROBAs」(仮称)として運営するよう提案した。

1923年に開設された初代の日比谷野外大音楽堂(日比谷公園大音楽堂提供)

 野音は改築を提言。現在の施設は1983年完成の3代目で、バリアフリーへの対応が不十分だとして、民間資金活用による機能の拡充や、現在制限されている利用可能日時の拡大を図るとした。
 他にも東側を走る日比谷通りには、道路の上空を渡るデッキを設け、銀座や有楽町方面へのアクセスを向上させる。外周の木々や柵は整理して園の外側からの見通しを改善することなども盛り込まれた。

1983年完成の3代目に当たる日比谷野外大音楽堂も改築される予定(東京都提供)

 都の担当者は「皇居外苑などを含めた都心のセントラルパークとして、より多くの人に親しまれる公園へと成長させていきたい」と話す。
 園内にある江戸城の堀を活用した「心字池しんじいけ」や日比谷見附跡の石垣、門など開園当初から残る設備は、そのまま活用する。耐震不足で2016年から長期休館中の日比谷公会堂は大規模改修を進めるが、完了時期は未定。

日比谷公園 1903年、日本初の洋風近代式公園として陸軍の練兵場跡地に開園。面積約16万平方メートル。設計は林学博士の本多静六。05年、公園での集会から日比谷焼き打ち事件が発生。23年の関東大震災では約5万人が避難、園内に仮設住宅が造られた。戦時中は高射砲陣地が置かれ、食糧難からジャガイモも栽培された。戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が接収。71年、沖縄返還運動の混乱で園内の洋食レストラン松本楼が焼失した。2008~09年の年末年始には、困窮者のための年越し派遣村が開設された。

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