2回目緊急事態宣言 感染したくないより感染させない 「恐怖心」弱まり「利他心」がカギ 東大教授が指摘

2021年1月6日 06時00分

東大の渡辺努教授

 新型コロナの流行が長期化し「コロナ慣れ」「自粛疲れ」も広がる中、2回目の緊急事態宣言に効果はあるのか。東京大の渡辺努教授(マクロ経済学)は「昨春、外出を抑制した感染への『恐怖心』は弱まっている。今回は、周囲にうつさないという『利他心』が鍵を握る」と話す。

◆前回の宣言時、外出減ったのは「恐怖心」

 渡辺教授らはNTTドコモの協力を得て、全国の約7800万台のスマートフォンの位置情報を基に人の動きを分析した。昨年4月7日の緊急事態宣言後、東京都内では外出が約6割減り、新規感染者の減少につながったとみる。
 ただ、緊急事態宣言による直接の効果よりも、渡辺教授は「増加する感染者数の情報などに接し、多くの国民は『自分もかかるかも』という恐怖心から外出を控えていた」とみる。
 その恐怖心は昨夏の第2波以降、「弱まっている」とも。新規感染者数が増えても外出は減らないことから明らかだとし、特に、感染しても重症化しにくいと知った若者に顕著という。

◆意識変化促す対策を

 「感染を怖がらないと若者が考えるのは合理的だ。今後は、恐怖心でなく、周囲に感染させないように心掛ける『利他心』に訴える必要がある。互いに守りあおうと訴えるメッセージを、政府は出すべきだ」
 スマホの位置情報の分析では、女性と比べて男性の方が外出する割合が高いことも分かっている。性別や年代別の行動状況を示し、人々の意識の変化を促すことも考えるべきだという。 (土屋晴康)

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