【動画あり】ノーベル賞受賞の天野浩教授らが開発 自走する新型コロナ感染対策ロボ 今春商品化へ

2021年1月6日 12時00分

新型コロナウイルス対策ロボットを開発した、(右から)名古屋大の塩崎宏司・特任教授、新明工業の濱嶋竜也さん、オンクラウズの清水政行代表=名古屋市千種区の名古屋大で(岡本沙樹撮影)

 新型コロナウイルスの感染力を抑え、空気を清浄にしながら自律走行する―。ノーベル物理学賞受賞者の天野浩・名古屋大教授ら名大チームと自動車設備メーカーの新明工業(愛知県豊田市)が、最先端の技術を詰め込んだ新型コロナ対策ロボットを開発した。人の行き来の多い空港や病院などでの利用を見込み、今春の商品化を予定している。(芦原千晶)

◆医療機器メーカーと開発の深紫外線で感染抑制

 ロボットは円柱型で、直径60センチ、高さ95センチ、重さ100キロ。自動運転に使われる人工知能(AI)を応用し、センサーで周囲の環境を認知して人もよけながら、底部の車輪で自律走行する。紫外線の一種の「深紫外線」を照射するランプと発光ダイオード(LED)を搭載する。
 自律走行部分は、名大発ベンチャー「オンクラウズ」(名古屋市)と新明工業が2019年に開発。その後、新型コロナの感染拡大で世の中が一変する中、このロボットをウイルス対策に役立てられないかと、塩崎宏司・特任教授も加わり、新たに開発を進めた。
 まず注目したのは、天野教授が医療機器メーカーと共同開発した深紫外線LED技術。このLEDから照射される波長280ナノメートルの深紫外線は、新型コロナウイルスの感染力の抑制に効果があると確認されている。空気清浄機の内部にこのLEDを組み込み、ロボット最上部に取り付けた。

◆自動車設備メーカーの自走装置とタッグ

 さらに、別の電機メーカーが開発した波長222ナノメートルの深紫外線ランプ技術も搭載。2分半ほど照射すると、1メートル以内にある新型コロナウイルスの99%を不活化して感染力を失わせるといい、床に向けて照射するように2つ取り付けた。
 昨年末、大学内で走行試験を実施。ロボットが深紫外線を照射しながら秒速40センチほどのゆっくりしたスピードで進み、人がいると回り込んで避ける動きも確認できた。指定した場所に長くとどまらせて照射させることも可能という。
 天野教授は「ようやく日本発の最先端の深紫外線ランプやLEDが、公益性の高い『自動運転サービスロボット』に搭載された。空港などでの水際対策や医療機関で非常に頼りになる存在になる」と期待した。

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