火災保険、賢く選びたい 「一括」は割安/水災確認を 専門家にポイント聞く

2021年1月7日 07時22分
 火災や風水害で生じた建物や家財の損害を補償する火災保険。今月から大手損害保険会社を中心に多くの保険料が値上げされた。値上げ幅は平均6〜8%とみられるが、建物の築年数や構造などによって値下げになる場合もある。コロナ禍が長引く中、家計負担を減らすため、ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん=写真=に、見直しのポイントを聞いた。 (砂本紅年)
 大手損保が火災保険料を上げるのは二〇一九年十月以来。各地で自然災害が多発し、保険金の支払いが増えたためだ。現行の火災保険の契約期間は最長十年だが、飯村さんは「気候変動の影響が大きくなる中、今後も保険料の値上げや、契約期間の短縮が行われる可能性は高い」と話す。
 これから火災保険を契約する人は、値上げ後の新しい保険料水準が適用される。保険料の支払い方法は、契約時に全額を支払う「長期一括払い」の方が、一年ごとに支払う「年払い」より割安になる。十年契約の一括払いの場合、18%程度割引する損保会社もある。資金に余裕があれば選択肢として考えたい。
 すでに火災保険に加入している人は、保険証券で満期の時期や補償内容を確認し、改定後の保険料や補償内容を損保会社の代理店に聞こう。今より保険料が安くなる場合、「いったん解約し、返金された保険料(解約払戻金)を元手に、新たに加入し直す方が得になる」と、飯村さんは言う。
 逆に高くなる場合は、不必要な補償がないか確認しよう。特に台風や豪雨などによる洪水、高潮、土砂崩れなどで起こる水災(水害)の補償は要チェック。自治体などのハザードマップと照らし合わせながら、建物や家財の補償がどの程度必要か慎重に考えたい。
 都市部でも近年、集中豪雨などによる水災が頻発している。雨水が側溝などからあふれて建物が浸水したり、高台の地盤が緩んで崩れたり。こうしたリスクが高い立地なのに水災補償がない場合、補償の追加を検討する。リスクが低ければ、保険金の支払い要件を厳しくしたり、支払限度額を下げたりすることで保険料が安くなる場合もある。
 今回の改定で、築十年前後までの築浅住宅を対象とした割引制度を設けた損保会社も。建物の老朽化は水漏れなどのリスクを高めるためだ。不在時に自宅前などに置かれた荷物の盗難・破損被害も対象にするなど、新たな補償を追加した会社もある。
 偶然の事故などを対象にした「個人賠償責任補償特約」付きの火災保険の場合、自動車保険や傷害保険にも付いていないか確認しよう。受け取れる保険金は二倍にならず、あくまで実際の損害分。特約の重複による無駄は省きたい。飯村さんは「コロナ禍で収入が減り、在宅で光熱費や食費が増えている家庭もある。なるべく家計の固定費は小さくして」と話す。

◆相次ぐ災害 影響

 火災保険料の目安となるのが、損害保険各社でつくる「損害保険料率算出機構」が保険金支払いデータなどを基に決める「参考純率」。今回の値上げは、機構が2019年に参考純率を平均4.9%引き上げたことに伴うものだ。
 近年、火災保険金の支払いは急増しており、大型台風や豪雨が相次いだ18年度は過去最大の1兆7690億円に達した。19年度も千葉県を襲った台風15号などで1兆6050億円に上った。

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