<くらしの中から考える>それは本当にエコ?

2021年1月8日 07時19分
 「エコ」なものといえば? 繰り返し使えるエコバッグ(マイバッグ)や、排ガスを出さないエコカーなどを思い浮かべる人も多いでしょう。ただ、エコと呼ばれるものでも、使い方などによって、むしろ環境に良くない場合もあります。身の回りにあるものがエコなのかどうか、あらためて考えてみませんか。 (河郷丈史)
 「エコ」という言葉はもともと、生物と環境の関わりを研究する「生態学」を意味する英語「ecology(エコロジー)」の略語。現在は「環境に優しい」という意味で使われることが多い。
 特に最近、プラスチック製のレジ袋などの代わりとして、利用が広まっているのがマイバッグだ。環境省が昨年十一月、二千百人にインターネットで聞いたところ、「買い物をした店でレジ袋を一週間もらっていない」と答えた人は71・9%で、同三月に調査した時の30・4%から大幅に増えた。海を汚染するプラスチックごみの問題に関心がある人も八割に上った。同省は「レジ袋をきっかけにプラごみ問題を考えてほしい」と期待する。
 しかし、マイバッグそのものが環境に必ず良いかというと、そうとも限らない。プラスチックの有効利用などを研究する一般社団法人プラスチック循環利用協会(東京)は「マイバッグでもレジ袋でも、使い方によって環境に悪い場合がある」と指摘している。
 同協会によると、一定の前提条件の下で、薄くて軽いレジ袋と、厚くて丈夫なポリエステル製のマイバッグの二酸化炭素(CO2(シーオーツー))排出量を比較した結果、マイバッグは原料や製造などの段階で、レジ袋の約五十倍のCO2(シーオーツー)を出していたとの調査報告がある。マイバッグを頻繁に交換すれば、レジ袋よりも環境に負荷をかけることが示された。
 一見、環境に良さそうでも、それを作るところから使って処分するまでの全体で考えるとマイナスの影響が出ることもある。「環境問題は『玉突き』なんです」と、環境経済学が専門の中部大教授の細田衛士さん(67)は言う。
 例えば、プラスチックごみを減らすためペットボトルを全てガラス瓶に替えたら、重くなって車などに積んで運ぶ際に多くのCO2(シーオーツー)が出る。レジ袋をもらわなくても、今までレジ袋で代用していたごみ袋を別に買えば、結果としてごみは減らない。食品の鮮度を長く保つなど、プラスチック製の容器包装を効果的に使うことで、食品ロスが減るかもしれない。自然の中で分解されるプラスチックが普及したら、「それなら捨てても大丈夫」と、人々の意識や行動を後退させてしまう恐れもある?。
 細田さんは「良いことずくめのものはなく、逆に悪いことばかりのものもあまりない。エコと決めつけず、エコかな?と常に疑問を持ち続けることが大事」と話す。

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