なぜ議事堂内へ?「われわれならすぐ逮捕された」リベラル派、侵入許した警察対応を批判 米連邦議会の占拠事件

2021年1月8日 20時06分
議事堂の壁をよじ登るトランプ氏支持者=ワシントンで(岩田仲弘撮影)

議事堂の壁をよじ登るトランプ氏支持者=ワシントンで(岩田仲弘撮影)

 【ニューヨーク=杉藤貴浩】米連邦議会が一時占拠された事件で、暴徒化したトランプ支持者の侵入を許した警察の対応に批判が高まっている。反人種差別活動家などリベラル派は「われわれのデモだったらすぐに逮捕されただろう」と指摘。バイデン次期大統領も7日、取り締まりの不平等さを非難した。

◆下院議員が警察に強い不信感を表明

 「信じられない。議事堂内をテロリストが歩き回っている。わたしは命の大切さを訴えただけでテロリスト扱いされ、虐げられてきたのに」。反黒人差別運動出身のコリー・ブッシュ下院議員は、警察への強い不信感を表明した。
 事件後、会員制交流サイト(SNS)には、侵入する暴徒に強く抵抗しない警官らの姿が拡散。昨年盛り上がった「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」運動に各地の警察が催涙ガスやゴム弾で対応した事例と比較され、「不平等だ」「(暴徒が)白人中心だからだ」などと批判を呼んでいる。

◆「米国には白人と黒人の2つの司法制度」

 実際、議事堂周辺に詰め掛けた数千人の中で、逮捕されたのは数十人。昨年5月に白人警官の暴力で死亡したジョージ・フロイドさんの遺族の代理人を務めるベン・クランプ弁護士は「米国には(白人と黒人向けに)2つの司法制度がある」と嘆いた。
 世論の高まりを受け、バイデン氏も演説で「もし(侵入したのが)ブラック・ライブズ・マターの関係者でも扱いが同様だったとは誰にも言えない」と指摘。「これからしなければならないことは分かっている」と分断が進む米国の改革を約束した。
 米メディアによると、一時占拠を受け、議会警察のサンド長官は辞任を決めた。

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