「一番初めに切り捨てられる」ゲームセンターの聖地、ほぼ無人に…時短しても協力金なし<緊急事態宣言>

2021年1月9日 06時00分
閑散とする高田馬場ゲーセンミカドの店内で、緊急事態宣言による営業時間短縮について話す深町泰志さん=8日、東京都新宿区で

閑散とする高田馬場ゲーセンミカドの店内で、緊急事態宣言による営業時間短縮について話す深町泰志さん=8日、東京都新宿区で

 新型コロナウイルスの感染急拡大で、政府が東京と埼玉、千葉、神奈川の1都3県に再発令した緊急事態宣言期間が8日、始まった。飲食店やカラオケ店に午後8時までの営業時間の短縮要請が開始。都内の繁華街は金曜日にもかかわらず、早めに店じまいする光景が見られた。一方、協力金なしで時短への協力を呼び掛けられたゲームセンターや映画館からは、不満の声が上がる。

◆ゲーセン、時短協力しても協力金なし

 「憤りを通り越してあきれる」
 ゲームファンの間で「聖地」として知られる「ゲーセンミカド」(東京都新宿区)の深町泰志運営部本部長(46)は、営業時間を短縮しても都からの協力金がない制度を嘆いた。
 高田馬場駅近くにある本店は通常、午前0時まで営業し、午後7時すぎからにぎわうが、8日から午後8時閉店に繰り上げた。
 8日午後、ゲーム機約250台を備えるビル1、2階の店舗はほぼ無人。音楽だけが響く。
 ゲームセンターの時短は都からの「協力依頼」で、飲食店などへの「要請」より位置づけは低く、応じなくても店名の公表はない一方、協力金はもらえない。

◆苦渋の決断、寄付金も底に…

 それでも時短を決めた深町さんは「緊急事態宣言が出れば外出する人は減り、深夜まで営業しても客は見込めない」と説明。「外堀を埋めておきながら、協力してもお金を払わないなんて中途半端」と疑問を表す。
 昨年4月の緊急事態宣言時は6月中旬まで休業した。毎月約2000万円の売り上げがなくなり、クラウドファンディングを実施。ゲームファンから約3700万円を集めて乗り切ったが、その資金もなくなり、近く再び寄付を募るつもりだ。
 「不要不急」という言葉でゲームセンターは「一番初めに切り捨てられる」と感じる。深町さんは「ここで生きている人もいると知って」と訴える。

◆映画館も苦境

 映画館も「協力依頼」の対象となった。「ユーロスペース」(渋谷区)の北條誠人支配人(59)は「遠回しに『営業時間を短縮せよ』ということ。言葉のトリックだね」と苦笑する。9日から午後8時以降の上映を自粛する方針で、1日あたりの上映回数は2割減となる。
 「ポレポレ東中野」(中野区)の担当者は「午後8時以降のみ上映予定だった作品を早い時間に回す」と話した。(神谷円香、梅野光春)

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