「感染蔓延で経路調査に意味なし」 神奈川県、感染経路や濃厚接触者の調査を原則やめると発表 全国初<新型コロナ>

2021年1月8日 23時31分
「積極的疫学調査に意味がなくなってきた」と話す神奈川県医療危機対策本部室の山田担当課長(右)=8日午後、神奈川県庁で(志村彰太撮影)

「積極的疫学調査に意味がなくなってきた」と話す神奈川県医療危機対策本部室の山田担当課長(右)=8日午後、神奈川県庁で(志村彰太撮影)

  • 「積極的疫学調査に意味がなくなってきた」と話す神奈川県医療危機対策本部室の山田担当課長(右)=8日午後、神奈川県庁で(志村彰太撮影)
 神奈川県は8日、新型コロナウイルスの感染経路や濃厚接触者を調べる「積極的疫学調査」の対象について、9日から県内全域で大幅に縮小すると発表した。周囲に感染が広がると重症化リスクの高い病院、高齢者施設、福祉施設などの関係者は調査を簡略化して続けるが、それ以外は原則として調査しない。県によると、県全体で調査対象を絞るのは全国で初めて。(志村彰太)

◆県全体で調査対象を絞るのは全国で初

 同県内では感染者数が連日500人を超え、感染経路不明率も60%以上の状況が続いている。積極的疫学調査は感染者に行動歴を詳しく聞き、接触した人を見つけ、蔓延を防止する狙いがあるが、医療危機対策本部室の山田佳乃担当課長は「どこに感染者がいてもおかしくない蔓延期に既に移行している。積極的疫学調査に意味がなくなってきた」と話す。
 保健所による聞き取りは感染者1人に半日かかることもある。保健所は宿泊施設や自宅で療養する人の健康管理もしており、「業務に優先順位をつけるべきだ」と考えたという。

◆影響が他の都道府県に及ぶ可能性も

 引き続き調査を行う病院関係者らに対しても、個人的な会食やイベントの参加者については聞き取りをしなくなる。学校や幼稚園、保育園の関係者については、感染拡大の恐れなど状況に応じて調査するか決める。それ以外の感染者については聞き取りをしない。
 これまで、濃厚接触者が県外にいる場合は、その都道府県に連絡していたが、今後はしなくなるため、影響は全国に波及する可能性がある。
 厚生労働省は昨年11月、積極的疫学調査に優先順位を付けて良いとする事務連絡を出している。

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