<ふくしまの10年・イチエフあの時 続く苦闘編>(5)ネズミ1匹で大停電

2021年1月9日 07時47分

ネズミが感電し、大停電の引き金となった仮設の配電盤=2013年、東京電力提供

 二〇一三年三月十八日夜、東京電力福島第一原発(イチエフ)で原因不明の停電が起きた。1、3、4号機の使用済み核燃料プールと共用プールの冷却装置が止まった。仮復旧まで十八〜二十九時間もかかる大トラブルとなった。
 原因はネズミだった。
 東電は、問題がありそうな部分を一つ一つ点検し、最後に残ったのが、4号機の山(西)側敷地にある仮設の配電盤。事故発生当初、トラックの荷台にコンテナを載せて応急的に設置したものだ。中で、ネズミが感電死していた。ここで起きた異常が、長時間の大規模停電につながった。
 コンテナからは何本も太い電源ケーブルがのび、扉は閉まらない。薄いシートをすき間に貼り付け、雨は防げたがネズミは容易に入り込めた。
 「原因がネズミなんて笑っちゃったよ。敷地に結構いるからね。事故後、飲食ごみの処理方法が決まらず、外に置いていた時期に増えた」と作業員。別のベテラン作業員は「冷却や電源システムは突貫工事で造られた。事故から二年たっても多くの設備が応急措置のまま。さまざまなトラブル対策に追われている」と指摘していた。
 停電事故を受け、東電が調べたところ、電源や制御用のケーブル、汚染水の移送ホースが混在して設置。誤動作や漏電が起きる恐れのある事例が次々と見つかった。
 ◇ご意見はfukushima10@tokyo-np.co.jpへ

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