「#石炭火力発電を輸出するって本当ですか」慶大生ら公開質問状 ベトナムでの建設巡り

2021年1月10日 06時00分

ベトナムでの石炭火力発電所計画を巡る公開質問状の内容を発信しているサイト

 政府が支援するベトナムでの石炭火力発電所の建設計画を巡り、10~20代の大学生や起業家ら9人が、融資を決めた政府系金融機関や3大メガバンク、商社に公開質問状を送った。菅義偉首相が2050年の温室効果ガス排出実質ゼロを宣言したばかりなのに、日本企業が海外で地球温暖化に加担していいのか、と疑問を突き付けた。

◆「ベトナムのためとは言えないのでは」

 「途上国は気候変動の影響を受けやすく、石炭火力ではベトナムのためと言えないんじゃないか。進める理由を知りたい」。発起人の慶応大4年能條桃子さん(22)の思いだ。ツイッターで検索目印となる「#石炭火力発電を輸出するって本当ですか」を添え、質問内容や考えを発信している。
 質問状では、再生可能エネルギーの発電コスト低下や温暖化の悪影響の深刻化を指摘。温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」との整合性などを問い、14日までの回答を求めた。

◆日本の銀行など1800億円融資

 ベトナムで計画が進むのは、三菱商事が関わるブンアン2(2基、計120万キロワット)。電力需要の急増を背景に、日本政府が日越首脳共同声明で建設への協力を約束。政府系金融機関の国際協力銀行(JBIC)などが昨年末、総額約1800億円の融資を決めた。
 JBIC広報担当者は「政府の支援方針を踏まえて融資を決めた」と説明。質問状への対応は検討中という。三菱商事の広報担当者は二酸化炭素(CO2)排出を抑える技術の将来的導入を検討しているとし、「質問状には真摯に回答する方針」と話した。

◆グレタさん賛同の抗議動画も

 この石炭火力新設を巡っては、温暖化対策の強化を求める若者グループ「Fridays For Future(未来のための金曜日、FFF)JapanJ」がベトナムと韓国の若者と共に、融資に抗議する動画をネットで公開中。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(18)も「キャンペーンを全面的に支援しています」とメッセージを寄せている。 (福岡範行)

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