アメリカ下院議長、核のボタンを懸念…トランプ氏の弾劾決議案、11日に提出

2021年1月10日 06時00分
 【ワシントン=金杉貴雄】米下院民主党は8日、トランプ大統領が暴動を扇動したとして罷免を求める弾劾訴追決議案を11日に提出する方針を固めた。米メディアが伝えた。決議案が可決されればトランプ氏は史上初めて2回弾劾される大統領となる。ペロシ下院議長(民主党)は8日、核のボタンを握るトランプ氏の常軌を逸した行動を懸念し、米軍制服組トップと防止策を協議した。

◆民主下院議員の半数超が署名

 米メディアによると、弾劾訴追決議案には既に民主党下院議員の半数を大きく超える170人が署名。公聴会などの手続きを省略し、来週中に採決される可能性があるという。

6日、米ワシントンでの支持者集会に参加するトランプ大統領=AP・共同

 決議案は、警察官を含む5人が死亡した連邦議会襲撃を巡り、トランプ氏が大統領選の結果を覆すため支持者を意図的に扇動したことや、ジョージア州幹部に電話で同州の選挙結果を覆すのに十分な票を「見つける」ように圧力をかけたことを告発している。
 弾劾訴追は民主党多数の下院が過半数で可決できる。訴追を受け開かれる上院の弾劾裁判で有罪とし罷免するには、出席議員の3分の2以上の賛成が必要となる。

◆バイデン氏は距離置く

 ただ、トランプ氏が任期満了で退任する20日まで、残された時間は少ない。議会内の党派対立が激化する懸念もある。バイデン次期大統領は8日の記者会見で「議会が下す判断だ」と距離を置く考えを示した。
 またペロシ氏は8日、民主党議員への通知で「錯乱した大統領ほど危険なものはない」と指摘。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長と「不安定な大統領が軍事行為を開始したり、核攻撃を命じたりすることの防止策を話し合った」と明かした。

◆就任式152年ぶりに欠席へ

 一方、トランプ氏は8日、20日に行われるバイデン氏の就任式に出席しないとツイッターに投稿した。
 米メディアによると、退任する大統領が次期大統領の就任式への出席を拒否するのは152年ぶり。拒否は過去3人だけで1869年の第18代グラント大統領の就任式に、再選できなかったアンドルー・ジョンソン大統領が拒否して以来。ジョンソン氏は建国以来初の弾劾訴追を受けてもおり、トランプ氏と共通点がある。

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