<ヒューマンいばらき>ガルパン聖地に魅了 大洗の地場産品をサイトでPR 広岡祐次(ひろおか・ゆうじ)さん(40)

2021年1月10日 07時32分

「波の音を聞きながら、何も考えずにいられるところがいい」と大洗の魅力を話す広岡祐次さん=大洗町で

 涸沼のそばで特産品を販売する元都内勤務の地域おこし協力隊員、「新たな町の名物に」とホッキ貝の加工品を開発した弁当屋さん−。昨年十月、大洗町で地場産品を盛り上げる人たちに焦点を当てたポータルサイト「ARISE GIFT(アライズギフト)」を立ち上げた。
 「アライズ」は、「大洗」や英語の「起こす」に由来する造語だ。現在サイトに掲載されている商品は、シジミや納豆、豚肉など約七十点。大洗町に限定せず、常総市や筑西市など県内産品を幅広く扱う。
 大洗が舞台の人気アニメ「ガールズ&パンツァー(ガルパン)」のオリジナルグッズも充実しており、全国のファンからも熱い視線が注がれている。それもそのはず、サイトを運営する当の本人は「以前は仕事でガルパン、やってましたから」と笑う。
 ガルパンの製作に携わる映像・音楽ソフト会社「バンダイナムコアーツ」(東京都)の元社員。ガルパンの広報担当として大洗の地を踏んだのは、東日本大震災の爪痕がまだ残る二〇一二年のこと。イベントの司会や電車のラッピング事業を通じて町民とのつながりが深まっていった。
 まちなかでは、「聖地巡礼」と称して何度も訪れるリピーターのファンたちが店主と気軽にコミュニケーションを取る場面を見かけた。「都会ではなくなった商売の原点。震災後の困難の中、何とかまちを盛り上げようとする人たちに感化された」
 一九年三月にバンダイナムコアーツを退社し、コワーキングスペース(共用オフィス)の運営会社「ハイド&ルーク」を友人と二人で町内に設立した。起業の背景には、がんで昨年亡くなった父の影もあった。自分のこれからの三十年を思い描きつつ、「町のためにできることはないだろうか」と考えあぐねた末の決断だった。
 順調に利用者を増やしてきたが、新型コロナウイルスの感染が拡大した昨年三月以降は外出自粛などの影響で頭打ちに。苦境の中で浮かんだアイデアがポータルサイトだった。
 サイトに登場する人たちの多くがコロナ禍にあえぐ。「ラーメン屋さんには、自力でチャーシューを売り出す余力がない。こちらが通販を通してお手伝いしなければ」
 ゆくゆくは、ホテルの宿泊予約やアルコールの販売など、町のあらゆる情報を発信するサイトにするのが夢だ。「サーフィン客もファミリー層もガルパンファンも楽しめるのが、この町の良さ。大洗の魅力を探し出し、サイトをもっと充実させられたらいい」 (出来田敬司)
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 コワーキングスペースには電源やWi−Fiなどの設備もある。問い合わせはハイド&ルーク=電029(266)8030=へ。

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