流産・死産5回…「知られない死」に涙した 不育症に苦しんだ女性 支援願う

2021年1月12日 06時00分
女性の手には、8カ月で死産した男児を娘が描いた似顔絵。流産、死産した子どもたちの母子手帳やマタニティーマークを大事に保管している(一部画像処理)

女性の手には、8カ月で死産した男児を娘が描いた似顔絵。流産、死産した子どもたちの母子手帳やマタニティーマークを大事に保管している(一部画像処理)

  • 女性の手には、8カ月で死産した男児を娘が描いた似顔絵。流産、死産した子どもたちの母子手帳やマタニティーマークを大事に保管している(一部画像処理)
 原因不明の不育症に長年苦しんできた関東地方の女性会社員(39)は、母子手帳を前に「世間に知られない死がある」と涙を流した。10年間に7回妊娠し、4回の流産と1回の死産を経験した。
 女性は、結婚後間もなく双子を妊娠したが9週で流産。2回目も13週で流産した。その後、同様に流産を繰り返す人たちの存在や不育症そのものを知った。
 専門医がいる医療機関で検査したが異常はなく、2度目の流産の翌年に妊娠。元気な女の子を産んだ。その2年後、4回目の妊娠では産休直後に胎動を感じなくなった。妊娠8カ月、産声のない男の子を4日かけて出産。死産から1年ほどの記憶はない。
 夫は「こんなにつらいなら、もう子どもはいらないよ」と気遣い、娘は赤ちゃんがほしいと口にしなくなった。「目の前の家族を不幸にしてはいけない」。カウンセリングを受け、生きることがつらかった時期を乗り越えた。
 37歳で7回目の妊娠をすると、医師の勧めで自己注射で投薬し、おなかの子の心音を聞く機械も購入した。37週で男の子を出産。娘は、2歳になった弟が大好きだ。
 女性は、自身や胎児の検査などに約100万円を費やした。政府が助成制度の創設を決めた中で、強く願う。「妊娠し無事に出産するのは当たり前ではない。社会全体が不育症を正しく理解してほしい。私と同じように苦しむ人が、適切な検査や治療で出産できるように」(柚木まり) 

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