東海第二再稼働 那珂市議会、今秋にも是非判断 市民の意見交流会後に

2021年1月12日 07時51分

再稼働に向け工事が進む東海第二原発=東海村で、本社ヘリ「おおづる」から、2020年10月13日撮影

 東海村に立地する日本原子力発電(原電)東海第二原発を巡り、再稼働の際に事前同意が求められる三十キロ圏内六市村のうち那珂市の市議会が、住民代表でつくる会合を設置し意見を聞いた上で、今秋ごろにも是非を判断する方針を固めたことが分かった。市議会による態度表明は、先崎光市長の判断や、他の五市村にも大きな影響を与えることになる。 (松村真一郎)
 那珂市議会が是非を判断する具体的なスケジュールが明らかになったのは初めて。
 市議会は現在、市議六人からなる原子力安全対策常任委員会を設置。再稼働の是非を判断するため、原発推進と反対の専門家を招いた勉強会や市民の意見を聞く公聴会を開いてきた。
 昨年十二月に開かれた委員会では、今後について「市民アンケートを実施したい」「市民の意見を聞く機会を継続していきたい」などの意見が出た。東海村で、無作為抽出された村民が再稼働について議論する「自分ごと化会議」を紹介し、「那珂市でも開催してもいいのでは」という提案もあった。
 これらを踏まえ、原子力安全対策常任委で委員長を務める武藤博光市議は本紙の取材に、市民の意見を聞く意見交流会を開く方針を明らかにした。
 春ごろから夏ごろにかけて、市内全域を八地区に分け、各地区から三、四人程度の住民が代表として参加し、原発に関する意見を出し合う。参加者は、各地区の自治会に選んでもらう考えだという。
 市は、一部が東海第二から五キロ圏内に位置しており、避難方法や避難先が地区によって異なる。武藤市議は「地域の実情に応じた意見を聞きたい」と語った。
 住民の意見を参考にした上で今秋ごろには市議会として、再稼働の是非を明らかにする意向を示した。武藤市議は「首長たちの動きにも影響を与えたい」と話した。
 市としての最終的な判断を担う先崎市長は、本紙の取材に「広域避難計画もまだ策定段階。市議会の動きを見守りつつ、慎重に判断したい」とコメントした。

◆5市村議会、議論まだ 事故対策工事は来年末完了予定

 原電は現在、東海第二の再稼働に向けた事故対策工事を進めている。作業員の新型コロナウイルス感染も明らかになったが、二〇二二年十二月に工事を終える予定を変えていない。
 水戸市や東海村など周辺六市村の首長でつくる「原子力所在地域首長懇談会」は、再稼働の是非の判断時期について「工事の完了時期ありきでは考えていない」(座長の山田修・東海村長)との構え。是非を判断する具体的なスケジュールは示されていない。
 これに連動するように、那珂市を除く五市村の議会も、議論はまだだ。水戸、日立、ひたちなか、常陸太田の四市議会は、原発問題に特化した委員会は設置していない。
 東海村議会は、議長を除く全村議十七人でつくる特別委員会を設置しているが、委員長の鈴木昇村議は「村から判断を迫られていないから、こちらでは判断しようがない」と語った。

関連キーワード

PR情報

茨城の新着

記事一覧