<新型コロナ>2万個の手作りダルマ迷子 富士宮の店 苦境も「対面で」こだわり

2021年1月12日 08時05分

直売用にダルマを並べる芦川博将さん=富士宮市宮原で

 富士宮市宮原の「杉山ダルマ店」で約二万個のダルマが売れず、行き場を失っている。新型コロナウイルスの感染拡大で寺院の季節行事が軒並み中止になったためだ。苦境下だが、代表の芦川博将さん(49)は「手作り品なので、ダルマの顔もそれぞれ違う。じかに商品を見て選んでほしい」と話し、少しでも多くの人が店を訪れることを願い、対面での販売を続けている。 (佐野周平)
 特に販売の落ち込みに響いたのは、国内有数のだるま市で知られ、二月に開催予定だった妙法寺(富士市)の毘沙門天(びしゃもんてん)大祭の中止だった。例年、全国から約四十のダルマ店が出店し、三日間で数十万人が来場する催しだ。
 同店は、百年以上前から大祭に出店する地元業者の代表格。約二十の業者に卸すほか、自らも出店で販売し、大祭の売り上げが店全体の約八割を占めている。
 本年度の大祭に向けて準備を始めたのは昨年二月ごろ。当時は大祭が中止になる事態は全く想定できなかったという。だが昨年十一月に富士市で複数のクラスター(感染者集団)が相次ぎ、感染者が急増。準備作業が最終盤を迎えた十二月、感染拡大を防ぐために大祭の中止が決まった。
 同店は毎年、店の作業場で直売もしている。今回は大祭の中止を受け、のぼり旗やチラシを新たに作り、店先に掲示するなどして販促を図っている。常連客だけでなく、苦境を知って新規の客も来店するようになってきたが、まだ大半が売れ残っている。
 年始には地元神社の初詣に初めて出店した。芦川さんは「縁起物だし、売れれば場所はどこでもいいとは思っていない」と話し、今のところ通信販売や一般小売店での委託販売は考えていないという。「暗い気持ちで縁起物を作るわけにはいかない。来年は大祭が開かれ、お客さんに笑顔でダルマを持って行ってほしい」と前を向いた。問い合わせは杉山ダルマ店=電0544(58)4190=へ。

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