「罰則ありき」のコロナ対策強化 野党「理解に苦しむ」 政府、改正案概要を与党に提示

2021年1月13日 06時00分
 政府は12日、新型コロナウイルス対策の強化に向けた関連法改正案の概要を自民、公明両党に提示した。入院勧告に従わない感染者には感染症法で「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」の刑事罰を設け、緊急事態宣言下で事業者に休業を命令できるよう新型コロナ特別措置法を見直し、違反した場合に行政罰の「過料」を科すのが柱。強制力を持たせて対策の実効性を高める狙いだが、罰則で行動を抑え込む内容が目立ち、与野党から異論が相次いだ。
 特措法では、緊急事態宣言を避けるために前段階で対策を講じられる「予防的措置」(仮称)を新設。首相が措置を実施する期間や都道府県単位の区域を指定して、都道府県知事は飲食店など対象施設に営業時間の短縮などを「要請」し、正当な理由なく従わなければ「命令」に切り替える。違反者への過料も導入し、政府関係者によると、予防的措置下では30万円以下、緊急事態宣言下では50万円以下とする方向で調整している。
 一方、休業要請・命令を受けた事業者への経済支援は努力規定にとどまり、国の責務は「地方公共団体の施策を支援するために必要な財政上の措置等を講ずるよう努める」とされた。自民党の会合では出席者が「事業者の財産権を侵害する可能性があるのに、国の支援が努力義務ではバランスを欠く」と懸念。立憲民主党の福山哲郎幹事長は記者会見で「十分な補償に見合った時短要請にするべきだ。罰則ありきで議論が進むことは非常に理解に苦しむ」と批判した。
 感染症法では、入院勧告拒否への罰則のほか、保健所が感染経路を把握するために実施する行動歴などの聞き取り調査を拒んだ場合にも50万円以下の罰金とする案を示した。現在は規定がない都道府県知事による自宅・宿泊療養の要請も法律に定める。
 政府は18日召集の通常国会に関連法改正案を提出し、2月初めごろまでに成立させる方針。(川田篤志)

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