<新型コロナ>「異常事態が起きている」 入院病床が限られ、肺炎患者も自宅で酸素吸入 神奈川

2021年1月13日 07時24分

新型コロナウイルス患者を受け入れる神奈川県立循環器呼吸器病センターの病棟(2020年4月、県提供)

 新型コロナウイルス感染者が急増し、神奈川県内でも医療体制にほころびが見えつつある。特に患者が多い横浜市や川崎市でコロナ患者の治療に当たる医師らからは「もう既に入院できる病床は限られる状況」「あり得なかった異常事態が起きている。とにかく今は人に会うことを避けてほしい」とし、人との接触を減らすよう訴えている。 (石原真樹、安藤恭子)
 「救急隊員が一一九番した患者を家に置いて帰るという、これまであり得なかった異常事態が起きている」。こう明かすのは、県立循環器呼吸器病センター(横浜市金沢区)でコロナ患者の治療に当たる丹羽崇医師。
 丹羽医師によると、県庁や保健所から来ていたコロナ患者の受け入れ要請が、年明けに救急隊から直接来るようになったという。同病院の中等症用の病床三十三床は昨年十二月からほぼ満床が続いていた。今は一日七、八件の救急隊からの要請をほとんど断らざるを得ないという。
 救急車を呼ぶ患者は軽症が多いとしつつ「安心の医療インフラである救急車が今まで通りに使えなくなっていることを知ってほしい」と訴える。「守るべき家族、パートナーにうつさないために、第三者に会わないようにすることがとても大事」と強調する。
 主に重症のコロナ患者を受け入れてきた聖マリアンナ医科大病院(川崎市宮前区)はこれまで病床数を徐々に増やしてきたが、昨年末からは満床で受け入れを断らざるを得ない日があるという。
 十二日朝の段階でコロナ入院患者は三十一人。大坪毅人病院長は「比較的患者の少ない小児用のコロナ病床と医療スタッフも成人用に転じてきたが、この三連休は綱渡りだった」と振り返る。
 受け入れられなかった患者の中には別の入院先が見つからず、肺炎の症状に自宅での酸素吸入を余儀なくされるケースがあるという。同病院では医療人員確保のため、命に別条のないコロナ以外の手術について延期し、75%程度に抑制する対応もとった。
 峯下昌道副院長(呼吸器内科)は「患者の症状悪化は日々の感染発表に遅れてやってくる。仮に一週間後に重症者が倍増したとして、もう既に入院できる病床は限られる状況。感染予防は自らの命に関わる問題と思ってほしい」と訴えた。

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