LGBT 中国の現実 告白巡る親子の葛藤を映画化 23日から新宿で上映

2021年1月13日 08時04分

映画について話す房満満監督=東京都内で

 中国の若者が、同性愛者であることを親に伝えるまでの過程や葛藤を追ったドキュメンタリー映画「出櫃(カミングアウト)−中国LGBTの叫び」が二十三日から、東京都新宿区のK’s cinema(ケイズシネマ)で上映される。中国出身の房満満(ぼうまんまん)監督(31)は「もしあした、身近な人に打ち明けられたらどうするか、考える機会になれば」と話す。 (奥野斐)
 一人っ子の多い中国では日本以上に親子の関係が深く、周囲からの結婚への圧力も強い。「親戚付き合いもあり、世間体を気にする人が少なくない」と指摘する房監督は、中国社会で苦悩するゲイの息子と父、レズビアンの娘とその母を、二〇一八年夏から約四カ月間撮影した。
 地元の大学を卒業後、上海で学習塾講師をする二十六歳の息子は、半年ぶりの帰省で父にゲイだと告白する。十九歳の時にレズビアンだと母に伝えた三十二歳の娘は、以来受け入れてもらえずにいた。中国の同性愛者とその家族らが集まるイベントに母を連れ出し、互いの本音をぶつけ合う。
 撮影したのは、房監督が中国出身の友人から同性愛者だとカミングアウトされたことがきっかけ。友人が同性パートナーと支え合っている姿をほほ笑ましく思う一方、親に告白できずにいることを知った。「LGBTなど性的少数者への認識は広まったが、身近な存在だからこそ、受け入れられないという人もいる。中国の現実と、親子の葛藤を自分のこととして感じてもらえたら」と話す。
 房監督は〇九年、留学で来日。早大大学院でジャーナリズムを学び、現在は番組制作会社「テムジン」でディレクターをしている。映画は、一九年二月にNHK「BS1スペシャル」として放送された番組を再編集、「東京ドキュメンタリー映画祭2019」短編部門でグランプリを受賞した。

映画のワンシーンで、レズビアンの娘(左)に本音をぶつける母親=テムジン提供

 撮影中、房監督自身も若者二人の姿に勇気づけられた。「自分の中のマイノリティーの部分にどう向き合うか。親に受け入れられなくてもめげない二人の生き方は多くの人の励みになると思う」
 上映時間五十四分。新型コロナの感染状況により上映日程は変更の可能性もある。

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