<新型コロナ>自宅療養の患者1カ月で5.7倍に 病床がひっ迫、男性の死亡で引き継ぎミスも 神奈川県

2021年1月13日 11時00分
 神奈川県によると、自宅で療養している新型コロナ患者は十一日時点で四千六百四十三人で、一カ月前の五・七倍に増えた。病床だけでなく宿泊療養施設も逼迫(ひっぱく)し、入所基準を厳格にしたためだ。自宅療養は家庭内感染や急変時の対応遅れのリスクがつきまとう。県医療危機対策本部室の本間健志担当課長は「県庁内では『いつ問題が起きてもおかしくない』との声が出ている」と話すが、宿泊療養施設を増やすのは容易でなく対応に頭を悩ませている。
 同じ期間で入院者数は一・九倍、宿泊療養者数は一・八倍に増えているが、自宅療養者の増加ぶりが際立っている。
 確保済みの宿泊療養施設は、限界まで部屋を使っても約九百室で、六割が埋まっている。以前は施設に入るかどうか保健師の判断に委ねていたが、先月中旬以降は「同居する人に高齢者や持病のある人、妊娠している人、免疫抑制剤を服用中の人がいる場合」などに限り、入所する人を絞り込み、その結果、自宅療養者が増えている。
 自宅療養者が増えれば家庭内感染が増え、安否確認する職員の負担は確実に増える。自宅療養中の男性が六日に死亡した事例では、対応が遅れた一因に内部での引き継ぎミスがあった。体調確認の方法など療養者への対応を効率化できないか見直しを進めている。
 宿泊療養施設の確保を急ぐが通路やエレベーターが複数あるなど感染防止の設備要件を満たすホテルは少ないという。 

◆重症者用病床も「ステージ4」 県内利用率50%超える

 県内の新型コロナウイルスの感染状況を表す七つの指標のうち重症者用の病床利用率が十一日時点で初めて50%を超え、全体の病床利用率を除く六つの指標が最も深刻な「ステージ4」(爆発的感染拡大)の基準になった。
 重症者用病床は同日時点で百二床が埋まり、利用率は51%。軽症などを含む全病床のうち八百二十九床が埋まり、利用率は43%になった。全体の病床利用率も「ステージ4」の基準50%に近づいている。
 すぐに使える「即応病床」で見ると、重症用は六床、軽症・中等症用は八十四床しか空いていない。黒岩祐治知事は「新型コロナ患者を受け入れていない病院も、新たに受け入れられるようにしたい。国に財政措置を要望した」と話した。 (志村彰太)

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