アイヌの文化 身近に 「シマフクロウとサケ」 19日に高円寺で上映会

2021年1月14日 07時10分

短編映画「シマフクロウとサケ」の一場面。宇梶静江さんがアイヌ刺しゅうで描いた=いずれも藤原書店提供

 アイヌ民族に古くから伝わる神謡(しんよう)を、アイヌ出身の詩人で絵本作家の宇梶静江さん(87)が絵本にした「シマフクロウとサケ」が短編映画になった。出版元の藤原書店(新宿区)が十九日夜に座・高円寺(杉並区立杉並芸術会館)で上映会を開く。同社は「首都圏の人がアイヌ文化に触れる機会になれば」と期待する。 (小松田健一)
 神謡は、アイヌが節をつけて神に捧げる祈りや感謝。「シマフクロウとサケ」は、アイヌの守り神であるシマフクロウが、サケに大きな目玉を侮辱されたことに怒り、ひしゃくで海水をくみ上げて干上がらせてしまう。瀕死(ひんし)のサケが後悔を口にすると、シマフクロウは怒りを鎮めて海を元に戻す−というあらすじだ。
 シマフクロウの目玉が大きいのは、夜も見張って危険をいち早く察知するためで、この世に生きるものにはそれぞれの役割があるのだから、日々の暮らしで常に敬意を払うよう教える。見かけだけで相手を決め付けてばかにするのは間違いだと戒める寓話(ぐうわ)でもある。
 絵本は二〇〇六年に刊行された。アイヌの伝統的な刺しゅうを用い、アイヌ叙事詩を古い布に描く宇梶さんが確立した手法で表現している。昨年、藤原書店が再構成して再版。同社の藤原良雄社長が「アイヌ文化を身近に感じてもらいたい」と映画化を決めた。監督は、中国出身で映像制作や作曲などを幅広く手掛ける金大偉(きんたいい)さんが務めた。
 映画は三十五分。前半はアイヌ語によるナレーションと、アイヌ音楽を挿入して絵本のストーリーを再現し、後半に宇梶さんが自らの生い立ちやアイヌの生き方などを語るインタビューで構成されている。
 上映会は三部制で、午後六時半開演。第一部で映画を上映し、第二部で宇梶さんの講演や、首都圏でアイヌの文化復興のために活動する島田あけみさんとの対談、第三部はアイヌ音楽のライブがある。チケットは三千円。定員はホール収容人員の50%の百五十人。申し込み、問い合わせは藤原書店=電03(5272)0301、メールinfo@fujiwara-shoten.co.jp=へ。

映画後半のインタビューで語る宇梶静江さん


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