コロナ感染、保険頼って 入院や休業中の生活を守る 加入状況確認し申請を

2021年1月14日 07時18分
 感染拡大に歯止めがかからない新型コロナウイルス。感染経路が不明な事例も多く、いつ誰が感染してもおかしくない状況だ。検査や治療の費用は公費で賄われるが、仕事ができなくなり収入が減ることへの不安は残る。そんな時に頼りになるのが民間の医療保険や健康保険の制度。専門家は「もしもの時に備え、加入状況などの確認を」と呼び掛ける。 (植木創太)
 民間の医療保険で、病気やけがで入院した際に受け取れる給付金は、新型コロナでの入院も保障対象だ。ほとんどの医療保険で、軽症者向けホテルや自宅での療養も、診断書などを示して医師や自治体の指示と証明すれば、入院と同じ扱いになる。給付される金額や期間は保険会社や商品によって異なる。
 生命保険各社でつくる生命保険協会によると、新型コロナでの入院給付金の支払件数は昨年十月までで二万四千件。公益財団法人「生命保険文化センター」が無作為に選んだ全国の十八〜六十九歳の男女四千人を対象にした二〇一九年度の調査では、入院給付金付き生命保険の加入率は七割だった。昨年十月末時点で国内の感染者数が十万人を超えていたことを踏まえると、単純計算で、保険に加入している感染者の半数以上が支払い申請していないとみられる。
 生命保険では、死亡時の保障に特例がある場合も。多くの生命保険会社は新型コロナを災害とみなし、不慮の事故などで亡くなったり、身体障害を負ったりした際に保険金を支払う「災害割増特約」や「傷害特約」の対象に含めている。生命保険大手に二十年以上勤めたファイナンシャルプランナーの丸子いずみさん(51)=東京都八王子市=によると、この特約を含む商品は保険料低額化の影響もあり、大手では近年、減少傾向。ただ、かんぽ生命や共済などには付与したものも多い。
 このほかに、長期間働けなくなった場合などに生活費を補償する就業不能保険や所得補償保険もある。丸子さんは「保険金は基本的に申請しないと支払われない。対象かもと思ったら保険会社に確認を」と促す。
 公的制度にも活用できるものは多い。収入の面では、健康保険の傷病手当金が頼りになる。休業四日目以降の所得を保障する制度で、通常、休んだ間の給料の三分の二が支給される。勤め先によって上乗せしている場合も。国民健康保険(国保)や後期高齢者医療制度の加入者も特例として、同様の制度が国費で設けられた。個人事業主は基本的に対象外だが、独自に対象に含めている場合もあるため、各健保組合を運営する地元自治体に確認したい。
 仕事が原因で感染したと考えられる場合は、労災保険の休業補償給付も利用できる。パートやアルバイトで職場の健康保険に加入していない人も対象で、給料の八割が支給される。ただ、傷病手当金と併せて受給することはできない。申請について、事業者の協力が得られないときなどは、労働基準監督署に相談するのも手だ。
 ほかにも国保料の減免など、国や自治体でさまざまな支援策が打ち出されており、今後の感染状況で新たな策が加わる場合もある。丸子さんは「保険も公的制度も情報が大事。保険会社や自治体の窓口に聞くなどして万が一に備えて」と話す。

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