共和党10人が造反「もっと前に発言すべきだった」 暴徒をあおる前に…反省語る<トランプ大統領弾劾>
2021年1月14日 21時46分
【ワシントン=白石亘】トランプ米大統領の弾劾訴追を巡る下院(定数435、欠員2)の採決では、与党共和党から10人の議員が賛成に回った。2年前のウクライナ疑惑に関する弾劾訴追での造反者はゼロで、一時は「トランプ党」と呼ばれるほど党内を掌握していたトランプ氏の求心力低下が浮き彫りになった。
◆「明確な誠意をもって賛成票投じる」
「大統領が誤った情報をばらまき、暴徒をあおる前にもっと早く発言しなかったことに責任を感じている」。共和党のニューハウス議員は13日、議場での演説で反省を口にした上で、「明確な決意をもって弾劾に賛成票を投じる」と宣言すると、民主党議員から歓声と拍手がわき起こった。
米メディアによると、造反した10人の顔ぶれは地理的にも思想的にも多様だという。最も地位が高いのは下院共和党ナンバー3で、チェイニー元副大統領の娘のリズ・チェイニー議員だ。12日に「憲法に対する大統領のこれ以上の裏切りはない」と声明を発表。党内から役職の辞任を求める声が高まったが、同氏は13日、「良心に従った投票だ。私はどこにも行かない」と強調、弾劾への支持を貫いた。
◆共和党内にトランプ氏擁護の声少なく
共和党では211人中、197人の議員が反対票を投じ、4人が棄権した。とはいえトランプ氏を擁護する声は少なく、民主党が性急に手続きを進めている点への懸念や、弾劾がさらなる分断をあおることを名目にした反対が目立った。共和党下院トップのマッカーシー院内総務は弾劾に反対しながらも「大統領に過失がないわけではない。彼は何が起こっているか見た時、すぐに暴徒を糾弾すべきだった」と苦言を呈した。
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