<新型コロナ>「ほとんどの罰則が刑事罰」入院拒否の感染者などに… 感染症法改正案を了承

2021年1月15日 19時26分
 厚生労働省は15日、同省感染症部会に新型コロナウイルス対策強化に向けた感染症法改正案の概要を示し、了承された。入院勧告に従わない感染者などへの罰則導入や知事らによる医療機関への協力要請の権限を強めることが柱。出席者からは罰則導入の根拠や効果を問う声が相次いだが、同省は罰則の具体的な内容やデータなどは示さなかった。政府は18日召集の通常国会に改正案を提出し、早期成立を目指す。

◆国や自治体の権限も強化

 部会で示された概要では、入院勧告を拒否した感染者に加え、濃厚接触者が誰かを追跡する保健所の「積極的疫学調査」に応じなかった感染者に新たな罰則を新設。入院勧告の対象にならない軽症の感染者は宿泊・自宅療養を行うことを法的に位置付けた。
 また、感染者情報の収集や民間病院によるコロナ患者の受け入れが円滑に進んでいないことを背景に、国や地方自治体の権限を強化する対策を盛り込んだ。具体的には、医療関係者らへの協力要請を「勧告」に見直し、正当な理由なく従わない場合は病院名なども公表できるとした。
 新型コロナウイルス感染症が「指定感染症」としての分類期限が来年1月末に切れることから、その後も濃厚接触者の外出自粛要請などの措置が継続できるよう、同法上の「新型インフルエンザ等感染症」に位置付ける改正も行う。

◆「罰則の根拠は?」疑問の声も

 入院勧告に従わない感染者への罰則について、政府は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」の刑事罰を検討しているが、15日の部会には示さなかった。出席者からは「罰則を導入しないと感染拡大が止まらないことを示す根拠を示してほしい」「保健所の仕事がさらに増える」などの疑問が相次いだ。さらなる議論を求める声もあったが、部会は改正案の概要を了承した。
 同省の正林督章健康局長は、罰則導入の根拠を示すように求められていることに対し「(根拠を)網羅的に把握するのは難しい」と説明。「感染症法は健康被害という重たいものを扱っている観点で、ほとんどの罰則規定が刑事罰だ」と理解を求めた。

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