在宅起訴の吉川元農相、菅首相「最も信頼している」 政界の同期、若い頃はよく会食

2021年1月15日 20時21分
 吉川貴盛元農相は、菅義偉首相と衆院初当選の同期で、昨年の自民党総裁選では陣営幹部として菅氏を支えた。政権中枢の信頼を勝ち取り、大臣にまで上り詰めた吉川元農相。収賄罪に問われたことに、周辺からは「信じられない」との声が漏れた。

吉川元農相㊧のセミナーで一緒に万歳する当時官房長官の菅首相=財界さっぽろ提供

 「アニマルウェルフェアはわが国の畜産において重要な課題だと考えている」
 吉川元農相は2018年11月21日、大臣として衆院農林水産委員会で答弁し、「生産者の理解を得ながら推進していく」と述べた。この日の夜、アキタフーズの秋田善祺元代表から現金200万円を受け取ったとされる。

◆選挙に弱かったが

 札幌市を地盤とする衆院北海道2区選出の自民党議員として、1996年から活動していた吉川元農相。経済産業副大臣などを務めたものの、小選挙区では4回敗れ、うち2回は比例復活もかなわなかった。
 だが、13年に農林水産副大臣になって以降、連続当選を重ねることになる。元北海道議は「急に農業に力を入れ始めた。副大臣になったのを機に、農水族議員として生きていこうと考えたのでは」と推察する。養鶏業者との距離も縮めたのか、14年には日本養鶏政治連盟から20万円の寄付を受けている。
 同期の菅首相との関係について、吉川元農相の元秘書は「若いころは、よく一緒に会食したり勉強したりしていた」と振り返る。
 菅首相は官房長官だった17年、吉川元農相の勉強会にビデオメッセージを寄せ、「吉川さんは実直な人柄で、私が最も信頼を置く政治家。政治経済の全体を見ながら、農業の強化策などについて打つべき手を打つことができる人だ」と持ち上げた。
 同年の衆院選では、安倍晋三首相(当時)が応援弁士として札幌に駆けつけ、「吉川さんが必要だ。コツコツと頑張る政治家で信用できる」と賛辞を贈った。

◆「突き返すかと思ったのに」

 昨年の自民党総裁選では、菅陣営の事務局長を務めた吉川元農相。当時所属していた二階派の衆院議員によると、多くの議員に頭を下げながら菅氏の支援を求め、「嫌な役は俺がやらないといけない」と漏らしていたという。
 この議員は「生真面目な人で、現金を差し出されても突き返すタイプだと思っていた。こんなことになるなんて、まさかって思いだ」と話した。(山下葉月、小沢慧一)

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