安倍政権からまた…吉川元農相を500万円収賄罪で在宅起訴 心臓手術で入院中、身柄拘束はせず

2021年1月15日 20時24分
 農相在任中に鶏卵業者から現金500万円を受け取ったとして、東京地検特捜部は15日、自民党衆院議員だった吉川貴盛元農相(70)を収賄の罪で在宅起訴した。贈賄の罪で鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の秋田善祺元代表(87)を在宅起訴した。安倍政権の大臣、副大臣経験者がこの1年で3人立件されたことになり、長期政権下で政治腐敗が進んでいたことが浮き彫りになった。

◆鶏卵会社元代表も贈賄罪などで

 広島地検は同日、名義を偽装して、河井克行元法相(57)=公選法違反罪で公判中=と吉川元農相のパーティー券を購入したとする政治資金規正法違反罪でも秋田元代表を在宅起訴した。
 贈収賄事件の起訴状によると、吉川元農相は2018年11月、国際機関が示す「アニマルウェルフェア(動物福祉)」に基づく飼育環境の厳格化案に反対するなど、業界に便宜を図ってほしい趣旨と知りながら、秋田元代表から東京都内のホテルで200万円を受領。19年3月には、案に反対してくれた謝礼として大臣室で200万円を受け取り、同年8月、養鶏業者が日本政策金融公庫の融資を受けやすくなるよう頼まれ、大臣室で100万円の提供を受けたとされる。
 吉川元農相は、18年10月~19年9月の農相在任中以外にも、秋田元代表から1300万円を受け取ったとされるが、特捜部は職務に関した賄賂には当たらないとして立件を見送った。

◆「大臣就任祝いだと」

 吉川元農相は任意での事情聴取に、現金を受け取ったことを認めた上で「大臣の就任祝いだと思った」などと説明。秋田元代表は業界のために現金を渡したと述べているとされ、今後の公判では現金の趣旨が争点になりそうだ。
 吉川元農相は北海道2区選出の衆院議員だったが、昨年12月22日に議員辞職し、心臓の手術を受けた。現在も入院中で、特捜部は逃亡や証拠隠滅の恐れは少ないと判断。高齢の秋田元代表も含め、身柄拘束は必要ないと結論づけた。
 吉川元農相は在宅起訴を受け、「申し訳なく思う。法廷で自分の認識をしっかり説明し、公正な判断を仰ぎたい」とコメントした。

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