コロナ禍で女性の実質失業率5%強、実際は政府統計の倍 仕事激減・休業手当なし90万人

2021年1月16日 05時50分
 女性のパート・アルバイトで仕事が半分以下に減り休業手当も支払われない「実質的失業者」が、昨年12月時点で90万人に上ることが野村総研の推計で分かった。女性全体の公式統計の失業者数と足し合わせて試算すると、完全失業率は2・4%(昨年11月、季節調整値)から5%強に上昇するという。(渥美龍太)
 菅義偉首相は今月の記者会見で「失業率は主要国の中で最も低い水準」と強調している。しかし、新型コロナウイルス禍が公式統計の水面下で、雇用に深刻な影響を与えている実態がうかがえる。
 同総研は昨年12月、コロナの影響が集中する女性のパート・アルバイトを対象にインターネットアンケートを行い、仕事が減った5150人の回答を分析。収入の激減で失業に近い状況に置かれた人を実質的失業者とみなし推計した。

◆「失業」女性は162万人、派遣や契約社員含めればさらに増加

 政府の労働力調査(昨年11月)によると、女性の失業者数(原数値)は72万人。だが、同総研が推計した実質失業者90万人を加えると、広義の失業が162万人に増え、失業率も5%台前半に上昇する。今回の調査対象はパート・アルバイトだけなので、派遣社員や契約社員らで同様の事例を含めた場合、実質の失業率はさらに高くなりそうだ。
 調査した総研の武田佳奈氏は「実質的な失業率は統計よりかなり高く、緊急事態宣言に伴う飲食店の勤務短縮でさらに深刻化する」と予測する。その上で「既存の支援策からこぼれ落ちている女性が多いのを踏まえた対応が必要」と指摘している。

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