<新型コロナ>秋葉原「なでしこ寿司」 デザインの力でかわいく対策 和紙のカバーで飛沫防ぐ

2021年1月16日 06時44分

「どうぞ」と盆を差し出す、なでしこ寿司店長の千津井さん。わんにかぶせているのが、飛沫対策になる和紙人形「華姫」=千代田区で

 デザインの力でコロナ対策をかわいく、楽しく。女性だけの職人が握る秋葉原のすし店「なでしこ寿司(すし)」が人形の形をした和紙製の食器カバーを導入した。料理を飛沫(ひまつ)から守る工夫は、目にも華やか。店長の千津井由貴さん(34)は「コロナを機会に、すし店の風景も変えたい」と意気込む。 (浅田晃弘)
 スカートが広がったドレスをイメージした円すい形の食器カバーは、直径十三センチ。小皿やおわん、湯飲みなどにかぶせ、会話中の飛沫を防ぐ。素材は耐久性のある友禅和紙。内側はアルミが張ってあり、汚れてもしっかり拭き取れる。
 「華姫」と名付けられた食器カバーは、国内外で作品を発表しているフラワーデザイナーの星野久美さん(51)=横浜市青葉区=が開発した。
 星野さんは二〇一七年、ニューヨークで開かれた日本の花文化を紹介するイベントに、和紙や折り紙で彩った花のオブジェを出品。好評だったことから、紙への興味が高まった。京都や越前、伊勢、美濃など全国には、各地に特色ある和紙がある。和紙の可能性を広げる提案は「地方創生」にもつながると思った。
 流行中の観賞用の植物標本「ハーバリウム」に、和紙の日本人形を組み合わせた「着物ドールリウム」を考案。外国人観光客らに売り込もうと意気込んでいたが、コロナ禍が襲った。そんなとき、たまたま知人から千津井さんを紹介された。
 「すしは男が握るもの」という業界の常識に挑み奮闘している千津井さんの姿を見て、花の世界で女性の自立を応援してきた星野さんは「思いを同じくした」と感じた。二人で話をする中、和紙人形を活用し、感染防止対策につなげるアイデアが生まれた。
 隙間ができないよう食器を覆うにはどうすればよいかなど、試行錯誤を繰り返し形状や大きさを決めた。店では一月から「華姫」での料理の提供を始めた。客からは「雰囲気が明るくなった」と喜ばれている。
 千津井さんは、すし飯を入れるおひつ、食材を入れるケースなど、店内で使うあらゆる道具を「華姫」で飾れないかと思案している。「女性すし職人の専門店は作れましたが『女性すし職人専門の道具』は、まだありませんでしたから」。星野さんも「和の空間の中でこそ、和紙人形は映(ば)える」と研究に意欲的だ。
 緊急事態宣言を受け、なでしこ寿司は現在、午後八時までの時間短縮営業中。平日は予約限定。問い合わせは同店=03(3254)6661=へ。

関連キーワード

PR情報

東京の新着

記事一覧