<食卓ものがたり>新名産はクリーミー 長田唐芋(静岡市)

2021年1月16日 07時03分

長田唐芋を収穫する小野田潔和さん=静岡市駿河区で

 静岡県・日本平の畑で、小野田潔和(きよかず)さん(61)が畝にくわを入れると、小さく盛り上がった土からサトイモがごろごろと出てきた。しま模様が特徴の唐芋(とうのいも)という品種だ。JA静岡市は、地名を冠した「長田(おさだ)唐芋」と名付けて販路を拡大。ふるさと納税の返礼品にまで成長した。
 小野田さんが借りている日本平の畑は、以前は茶畑だった。二〇一四年、重機と手作業で茶の木を抜いて耕し、転作した。
 茶どころ・静岡だが、急須で茶を飲む習慣が減るなど消費量や価格が低下し、県内各地で耕作放棄地が増えた。長田地区も茶を栽培する農家は激減した。そのためJA静岡市は〇九年、果樹や花卉(かき)も含め農家に約六十種類の転換作物リストを紹介した。
 「唐芋を選んだのは偶然」と、長田営農経済センターの山森好登さん(35)。つくってみたら食味がよかった。「きめ細かくクリーミーで、軟らかいけれど煮崩れしない」と評判に。里芋特有のぬめりも少なく料理しやすいのも長所だ。JAの女性職員は「ゆでて皮をむき、塩を振ればお酒のつまみに最適」と笑った。
 四月に種芋を植え、茎が大人の背丈ほどになる七月には子イモがつき始める。収穫は十一月から翌二月まで。一株から子イモや孫イモを含め約七十個、四キロくらい取れるという。
 十二月が収穫のピークだが、温暖な気候を生かし、高くした畝の中でイモを寝かせることで、長期間収穫できるのがメリットという。雨が少ないと大きくならないので、小野田さんはタンクを軽トラックに載せて運び、水をまいているという。
 煮崩れしにくいことから名物・静岡おでんの具にもなった長田唐芋。農家のアイデアで、硬いイモが交ざる親芋はつぶして、冷凍コロッケにして販売する。市内の生産者は二十三農家で、昨年度は約四十六アールで約七・二トンを出荷した。
 公募による愛称「とうまるくん」の旗が揺れる市内の飲食店で、ランチのコロッケを食べた。舌触りのよさとクリーミーな味わいが、ご飯によく合った。
 文・写真 五十住和樹

◆買う

 長田唐芋=写真(3Lサイズ)=は、静岡市内の「JA静岡市ファーマーズマーケット・じまん市」やスーパーで販売。冷凍コロッケも買える。ネットショップ「JAタウン『JA静岡市』」では、生芋3L〜4Lサイズ3キロ入りと、冷凍コロッケ4パック入り(1パック5個)が、いずれも送料込み3980円(コロッケは冷凍代上乗せ)で買うことができる。

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