トランプ政権、大統領選敗北後も相次ぎ死刑を執行 131年続いた慣習を無視

2021年1月17日 19時41分

トランプ大統領

 【ニューヨーク=杉藤貴浩】米トランプ政権は16日、女性3人を殺害したダスティン・ヒッグス死刑囚(48)の死刑を執行した。政権は昨年7月、連邦レベルの死刑執行を17年ぶりに再開。死刑廃止を掲げるバイデン次期大統領の就任を目前に、予定していた13人全員の執行を終えた。
 司法省によると、ヒッグス死刑囚は、1996年、共犯者とともに女性3人を車で連れ回し、東部メリーランド州の連邦政府管轄地で銃殺した。米メディアによると、同死刑囚は新型コロナウイルスに感染しており、弁護士は「肺が損傷しているため、薬物注射による執行は水死するような感覚を与える」と執行停止を求めていた。
 トランプ政権は13日にも、妊娠中の女性を殺害し胎児を取り出したリサ・モンゴメリー死刑囚(52)に、女性としては68年ぶりとなる連邦レベルの死刑を執行。弁護団は、同死刑囚には幼少期からの身体的、性的虐待の影響で精神障害があったとして減刑を求めていた。
 14日には、麻薬取引に関連して共犯者とともに7人を殺害したコリー・ジョンソン死刑囚(52)にも執行した。同死刑囚の弁護団も、知的障害を理由に執行停止を訴えていた。
 CBSニュース(電子版)によると、ヒッグス死刑囚への執行を決めた連邦最高裁の評決で、ソトマイヨール判事は、最近執行された死刑囚側から多くの訴えが出ていたにもかかわらず「司法省は慎重に扱わなかった」と異議を唱えた。

◆連邦死刑の廃止を目指すバイデン氏

 連邦死刑の廃止を目指すバイデン氏とは対照的に、トランプ氏は死刑肯定論者。米国では、次期政権による政策変更を控えた政権移行期には連邦死刑を執行しない慣習が131年続いていたが、トランプ政権は昨年11月の大統領選後も相次いで執行を重ねた。
 米民間団体「死刑情報センター」によると、州レベルでは全米の半数の25州が死刑を廃止、もしくは執行を停止している。

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