中国GDP2.3%増確保 コロナ影響の壊滅的な落ち込みから急速に経済回復

2021年1月18日 11時46分
中国のGDP速報値を発表する国家統計局の記者会見=18日、北京で(共同)

中国のGDP速報値を発表する国家統計局の記者会見=18日、北京で(共同)

 【北京=坪井千隼】中国国家統計局が18日発表した2020年の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除く実質で前年比2・3%増となった。19年(6・0%増)を3・7ポイント下回ったものの、新型コロナウイルスの影響で世界の主要国が軒並みマイナス成長に陥る中、感染を抑制して経済を回復させ、プラス成長を確保した。
 20年10~12月期の実質GDPは前年同期比6・5%増で、前期の4・9%増から1・6ポイント伸びた。
 中国では湖北省武漢市を中心に感染が拡大した影響で、20年1~3月期の実質GDPが前年同期比6・8%減と、歴史的なマイナス成長に陥った。だがその後は感染を抑え込み、急速に生産や消費を回復させた。
 同時に発表した20年の主要統計によると、公共投資や企業の設備投資を反映した固定資産投資は2・9%増(19年は5・4%増)、工業生産は2・8%増(同5・7%増)と、伸びは縮小したもののいずれも前年比でプラスを確保した。一方で消費動向を示す小売売上高は前年比3・9%減(同8・0%増)と回復が遅れている。

◆厳格な隔離や大規模検査…国民管理徹底で抑え込みに成功

<解説> コロナ禍にあえぐ日本や欧米など主要国を尻目に、世界で初めて感染拡大が確認された中国の経済が回復したのは、厳格な隔離や大規模PCR検査、ITを駆使した感染者追跡などで国民管理を徹底し、流行の抑え込みに成功したからだ。
 2020年1月に湖北省武漢市を中心に感染が深刻化すると、中国全土で生産活動や消費は壊滅的な落ち込みを見せた。だが感染の勢いが落ち着くと、3月には工場生産が回復に向かい、4月以降は消費や投資も持ち直した。
 政府もインフラ投資や減税、金融政策などの景気対策を打ち出した。貿易面ではマスクや医療機器、「巣ごもり需要」でのIT機器の輸出が好調で、景気回復を支えた。21年も回復基調が続くとみられ、7~8%前後の成長を見込む専門家が多い。
 しかし、コロナ禍にあえぐ世界経済の減速が中国経済の下振れ要因となる可能性は残る。IT関連など業績好調な企業の裏で、苦境が続く中小小売事業者も多く、二極化が経済全体の足かせになる懸念もある。
 バイデン次期米政権の発足後も米中対立は継続する公算が大きい。トランプ政権が打ち出した輸出制限など中国企業への排除政策が緩和されず、企業業績に打撃を与え続ける可能性も指摘される。 (北京・坪井千隼) 

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