「火災保険で家を直せる」トラブルご注意 災害被害修理 勧誘めぐり相談増える

2021年1月19日 06時00分
 「火災保険を使えば、台風で被害を受けた住宅を無料で修理できる」と業者に勧誘されたという情報が、読者から寄せられました。加入している火災保険に風雨災害の補償が付いていても、ちょっと待って。「保険が下りなかった」などのトラブルが増加しており、国民生活センターや日本損害保険協会(損保協会)は「契約前に保険会社や代理店に相談を」と注意を呼び掛けています。(小形佳奈)

◆「保険で工事、こちらで申請もやります」

 東京都多摩地区の女性読者(50)は2020年10月、工事業者だという人物の訪問を受けました。「19年の台風19号で屋根が壊れているかもしれない。点検して悪ければ保険で工事しましょう。保険の申請もこちらでやります」。女性は、修理を巡るトラブルの話を保険代理店から聞いていたので断りました。
 23区内の別の女性読者(83)は20年12月、「損保関係者」を名乗る人物から電話で修理を勧められました。「工事代金は保険でまかなえます。私たちは一定の仲介手数料をいただくだけ」と促されたが、不審に感じて断ったそうです。

◆19年度の相談件数2684件、10年で24倍に

 国民生活センターによると、「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスの相談は増加傾向です。19年度は2684件と、10年度の111件から10年間で約24倍に。20年度も4~8月に1445件あり、19年度の同時期と比べ約1.7倍。相談者の半数を70歳以上が占めました。こうした手口が横行する一因として、台風や地震など自然災害による住宅被害が、近年多いことが考えられます。
 相談の中には、保険会社の判定前に強引に契約させられたり、経年劣化を災害被害として申請させられたりした結果、保険会社に「見積もりが信用性に欠ける」などと判断され、保険で工事代金がカバーされない事例がみられます。
 また、足場に張る落下防止用ネットを省いたり、廃材で作った雨戸を取り付けたり、工事が杜撰だとの相談も寄せられています。

◆地震被害補償は地震保険に加入必須

 損保協会によると、風災(風による災害)補償は火災保険の基本プランにほぼ含まれているが、水災補償の付帯率は約7割。地震による損害補償は地震保険への加入が別途必要です。
 国民生活センター相談情報部の小池輝明主事は「保険に加入していても、突然やって来た業者の言いなりで、他の業者と比べる相見積もりもせずに契約するのはリスクが大きい」と警鐘を鳴らします。

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