銚電副業のルーツ 土屋武之さん

2021年1月19日 07時46分
 シングルレコードの売り上げは、450万枚以上とも500万枚以上とも。空前の大ヒットという言葉は「およげ!たいやきくん」のためにあるのだろう。子供向けの歌でありながら、ちょっぴり哀愁が漂うこのナンバーは、1975年10月に「ひらけ!ポンキッキ」で初めて流されるとすぐ、チャートはおろか、年末の賞レースまで席巻。誰もが口ずさむ、国民的歌謡となった。
 このブームに便乗したのが銚子電気鉄道だ。76年2月には早くも観音駅に直営たい焼き店を開いている。経営不振脱却を図った苦肉の策であったが、焼き上がる端から飛ぶように売れたという。鉄道会社の副業としては当時、珍しかった食品製造販売業は、95年登場のぬれ煎餅も合わせて収入の大半を占めるまでに成長。お菓子屋が電車を走らせていると、からかわれるほどだ。
 たい焼きは今でも犬吠駅で買える=写真。相変わらず経営が苦しいと唱えつづける「銚電」は、さらにあの手この手で収入を確保しようと画策し、2020年には、ついに自社で製作した映画「電車を止めるな!」を公開するに至った。経営者は何度も代わったが、機を見るに敏でアイデア勝負という社の性格は変わらないようだ。

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