飲酒習慣チェックし対策 長引くコロナでストレス増… 適量知り依存、病気防ぐ

2021年1月19日 08時17分
 新型コロナウイルスの感染拡大で、飲食店に対する営業時間短縮が各地で要請される中、自宅で飲酒する機会が増えている。帰宅の時間を気にしないで済むため、つい飲み過ぎる人も多いのでは。多量に酒を飲む生活が続けばアルコール依存に陥る恐れもある。自分の飲酒傾向を把握し、酒との付き合い方を考えることが必要だ。 (植木創太)
 まずは、上のチェック表を試してほしい。世界保健機関(WHO)が、問題のある飲酒を早期に見つけるために作った「AUDIT(オーディット)」から三つの設問を抜き出した簡易版で、女性は四点以上、男性は五点以上で「問題あり」だ。
 岐阜市の女性会社員(42)はコロナ禍以降、仕事の多くがオンラインに。ストレスから晩酌の量が増えている。チェック表の結果は十一点。「事前に決めた量以上に飲んでしまう頻度が多くなった」と省みる。
 総務省の家計調査によると「巣ごもり需要」で家庭の酒類の消費は増加している。二人以上の世帯が昨年一〜十一月に酒類に充てた金額は四万一千五十六円。前年比14%増で、いずれの月もここ五年で最も高い。中でも緊急事態宣言下だった昨年四〜五月は、前年比で約25%増にもなった。
 「飲む人と、飲酒の機会が減って飲まない人の二極化が進んでいるように思う」と話すのは、刈谷病院(愛知県刈谷市)副院長で精神科医の菅沼直樹さん(64)。県の依存症治療拠点機関になっている同病院で診療に当たる中、新規患者や飲酒に関する相談が次第に増えてきた感じがするという。
 菅沼さんによると、人と会う機会が減るなど暮らしに制限がある状況は、飲酒傾向に問題のある人の依存を強める可能性が高い。コロナ禍のように経済情勢が悪化して生活が苦しくなると、不安から酒量が増える人も多いという。
 アルコール依存症は、多量の飲酒を続けることで脳に障害が起き、自分の意思では飲み方を制御できなくなる状態。症状が進むと、酔いがさめた後に手の震えなどの離脱症状が出る場合も。現時点で発症している人を五十万人、一生のうちで発症する人を百万人とする国の推計もある。菅沼さんは「毎日飲むなど習慣的な飲酒が始まっていたら危ない」と警鐘を鳴らす。
 厚生労働省が健康のための目標をまとめた「健康日本21」によると、通常のアルコール分解能力がある日本人の場合、適度な純アルコール量は一日平均二十グラムまで。純アルコール量は「アルコール度数(%)÷100×飲んだ量(ミリリットル)×0・8」で求められる。平均して一日六十グラムを超える人は多量飲酒者と定義。依存症予備軍とされる。
 「長期の多量飲酒は肝機能低下に加え、がんや脳卒中など二百以上の疾患・けがのリスクを高めるとされる」と菅沼さんは言う。減酒のこつは、カレンダーで飲んだ日に印を付けるなどして、その日の飲酒量を記録すること。目標を決め「一カ月続けられたらおいしい物を食べる」など、ご褒美を決めるのも効果的だ。家族らも褒めるようにすると成功しやすい。

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