「男性も自分のことと捉えて」不妊治療を経験した川田記者 厚労省の意見交換会に参加

2021年1月20日 06時00分
厚労省の意見交換会にオンラインで参加する本紙政治部の川田記者=東京・千代田区

厚労省の意見交換会にオンラインで参加する本紙政治部の川田記者=東京・千代田区

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 厚生労働省の不妊治療に関する意見交換会に、男性不妊治療の経験者として参加した。打診は昨年末。精子を作る機能が低下する病気と診断されてから手術、第1子を授かるまでの体験談をつづった2019年11月の本紙連載「男性不妊 僕がパパになるまで」を読んだ同省担当者から声が掛かった。背景には実名で男性不妊を語る人が少ないこともあるという。
 最も確認したかったのは、政府が不妊治療の支援策に当事者たちの意見を反映させる意思があるかだ。以前取材した不妊治療中の女性から「参加できずに残念。短期間でヒアリングが終われば、当事者の要望と乖離(かいり)した政策につながっていくのではないか」と懸念する声を聞いたからだ。この日の会合では、厚労省に意見交換をわずか2回で終わらせないよう要望した。
 また、自らの経験に基づき「不妊の原因の半分は男性側に起因する。多くの男性に自分のことと捉えてもらうような情報発信をお願いしたい」と求めた。
 菅義偉首相がトップダウンで進める政策決定に期待と不安が交錯する不妊当事者は多い。
 政権発足からわずか4カ月で、不妊治療の助成制度を拡充させ、22年度からの保険適用拡大に道筋を付けた。多額の治療費負担に苦しむ患者にとって朗報だが、期限ありきで進む検討に落とし穴はないか。今後、保険適用される体外受精などの「標準的な治療」を決める段階で、結果として患者の治療の選択肢が狭まる可能性も残る。
 不妊治療を巡っては、病院選びに悩む患者が多く、第三者機関による各病院の治療成績の開示など、経済的な負担軽減とは別に治療環境の改善を求める声も根強い。会合では三原じゅん子厚労副大臣から、当事者との意見交換を続けるという発言があった。「患者ファースト」の政策実現に向け、丁寧に意見を吸い上げていくかを今後も見守りたい。(川田篤志)

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