「新増設準備を」「運転延長が必要」 原発推進に息潜める反対意見 経済産業省の分科会

2021年1月20日 06時00分

昨年12月21日に開かれた経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の会合では、原発の新増設や建て替えに加え、運転期間の延長などさまざまな観点から「推進色」の濃い意見が飛び交った。
 原発は運転開始後40年を上限に、廃炉にする原則だ。それ以上は、安全対策を徹底することなどを前提に60年まで延長できる。だが、東京海上日動火災保険の隅修三相談役は「60年や80年への延長は必須だ」と訴えた。
 原発に関する人材や技術を維持するためには原発建設が必要との意見も出た。
 原発の安全性を強調する声もあった。
 NTTの沢田純社長は、東京電力福島第一原発事故の原因は全電源喪失にあるとした上で「実は原子炉は安全だったと、ちゃんと振り返るべきだ」として原子炉自体には問題はなかったとの持論を展開し、将来の新型炉は「従来と比べて安全性が高い」と語った。
 一方で、原発に明確に慎重な意見を述べた委員は少なかった。
 ANAホールディングス社外取締役の小林いずみ氏は「コストの分析と開示をしないと国民の納得は得られない」と指摘。消費生活アドバイザーの村上千里氏は「(原発推進に)反対する研究者や団体の意見も聞いて検討してほしい」と経産省に求めた。(妹尾聡太)

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