<ふくしまの10年・イチエフあの時 続く苦闘編>(12)氷投入で汚染水凍結?

2021年1月20日 07時18分

2号機の海側にある地下トンネル上で、たまった汚染水を凍らせるため補助的に氷を投入する作業員=東京電力提供

 東京電力福島第一原発(イチエフ)の海側敷地の地下には、タービン建屋から護岸に向かって何本ものトンネルがのびている。配管やケーブルを収納するためだが、ここに建屋から高濃度汚染水が流れ込み、海を汚す大きなリスクがあった。
 そこでゼネコンから提案されたのが、建屋とトンネルの接合部に凍結管を浸して周辺を凍結。建屋からの流れ込みがなくなった後、トンネルの汚染水を抜いてセメントで埋める−という案だった。だが始めてみると、汚染水は全く凍らない。東電は、トンネル上部の開口部から、作業員にドライアイスや氷を二十四時間態勢で投入させた。
 本社ヘリで取材すると、日曜日にもかかわらず、作業員たちは大型土のうに詰まった氷などをスコップなどで懸命に投入していた。
 残念ながらうまく凍結しなかった。実証試験は水の動きがなく、保温された状態で実施されたが現場は建屋とトンネル間で汚染水の流れがある。状況が違いすぎた。
 作業は高濃度汚染水の真上で行われ、被ばく管理の目安(年二〇ミリシーベルト)の二年分に達した作業員もいた。「みんなすごい被ばくをしている。それで凍らないんじゃ…。もっと手法を詰めて考えてくれないと」と作業員は話した。計画は水中で固まる特殊なセメント投入に変更された。
 ◇ご意見はfukushima10@tokyo-np.co.jpへ

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