「菅氏にキレがなくなった…」 疑問はぐらかし、言い間違いも…首相答弁力に与党不安 衆院代表質問

2021年1月21日 06時00分
 菅義偉首相の施政方針演説に対する20日の衆院本会議での代表質問は、議論が新型コロナウイルス対策に集中した。立憲民主党の枝野幸男代表は、感染拡大を防げなかった「失政」を指摘し経済支援の拡充を訴えた。首相は強気な姿勢を前面に出し、感染の早期収束に向けた決意を表明したが、投げかけられた疑問には正面から答えなかった。

◆枝野氏の猛攻に…

 「医療は逼迫というより、もはや崩壊だ」
 枝野氏は質問の冒頭でこう切り出した。首相が観光支援事業「Go To トラベル」の継続など経済活動を重視した結果、感染が爆発的に拡大したと批判し「今後の適切な対応のためにも判断の遅れを認めて反省から始めるべきだ」と強調した。
 対案として、感染の封じ込めを徹底させた後に経済活動を再開させる「zeroコロナ」への政策転換を迫った。医療従事者や大企業を含む労働者へのさらなる経済支援も訴えた。
 これに対し、菅首相は「感染拡大を抑えつつ、雇用や事業を維持する考えに基づいて必要な対策を講じていく」と主張。政府の対応の遅れや判断の誤りは一切認めなかった。
 政府・与党が2月初旬の成立を目指す新型コロナ特措法などの改正案を巡っても、意見は食い違った。
 枝野氏は昨年12月上旬の臨時国会終盤に、野党が特措法などの改正案を提出していたと指摘。「1カ月半も国会を開かなかったのはなぜか。この間に審議すれば、改正はとっくに実現していた」と批判した。
 一方、首相は「私権の制約にも関わることから(専門家でつくる政府の)分科会などで慎重な議論が続けられてきた」と説明。臨時国会の閉会についても「会期は国会が決める」と述べるにとどめた。
 枝野氏は本会議後、記者団に「今やらなければいけないことの指摘はできたが、首相は責任を丸投げしたような答弁の繰り返しで、当事者意識を感じられなかった」と語った。
 代表質問の内容は政府側に事前通告されるため、首相は原稿を読み上げる「安全運転」に徹することができた。それでも「セーフティーネット」を「セーフネット」と言うなど、言い間違いが散見された。一問一答形式の予算委員会を控え、自民党には「官房長官の時のようなキレがなくなった」(若手)と答弁を不安視する声が漏れた。(川田篤志、市川千晴)

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