SNS投稿で65歳女性に禁固43年 タイ王室中傷で不敬罪…「不釣り合いだ」人権団体反発

2021年1月20日 22時09分

バンコクで昨年12月、不敬罪にあたる刑法112条の廃止を訴えるデモ参加者

 【バンコク=岩崎健太朗】タイの裁判所は19日、会員制交流サイト(SNS)で王室を中傷するファイルを共有し、不敬罪に問われた元政府職員の女性(65)に禁錮43年6月の判決を言い渡した。同罪では過去最長の刑期だといい、人権団体から「不釣り合いに重すぎる。表現の自由が侵される深刻な事態だ」と批判する声が上がっている。

◆個別投稿それぞれに罪、計29件有罪

 地元メディアによると、女性は6年前、王室に批判的な内容の音声メッセージをフェイスブックなどで共有、逮捕された。ネット上で拡散されていたファイルにすぎなかったが、個別の投稿が罪に問われ、計29件で有罪となった。不敬罪の法定刑は1件につき禁錮3年から15年で、当初の判決は禁錮87年。女性が罪を認めたため、約半分に減刑された。弁護士は「裁判所は最も軽い刑を選択したが、法律に問題がある」と指摘、控訴した。
 最近2年以上、「ワチラロンコン国王の意向」(プラユット首相)として適用が控えられていた不敬罪。昨年後半から王室批判が広がると、政府は「厳格に対処する」(同)と方針を転じ、50人以上が警察の聴取を受けている。いずれも訴追には至っていないが、今年に入り、一連のデモで初めて不敬罪容疑での逮捕者も出た。反体制派の若者らは「今回の判決も、われわれの王室改革の要求を抑え込もうという意図がみえる」と反発している。

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