河井案里議員に有罪判決 懲役1年4月、執行猶予5年

2021年1月21日 20時57分

河井案里被告(2020年11月)

 2019年7月の参院選広島選挙区を巡り、票の取りまとめを依頼する趣旨で地元議員5人に現金計170万円を渡したとして、公選法違反(買収)罪に問われた参院議員河井案里被告(47)に対し、東京地裁は21日、「選挙の公正を害する犯行」として、懲役1年4月、執行猶予5年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。地元議員1人への買収は無罪とした。

 案里議員は無罪を主張。現金の提供をおおむね認めており、争点は現金の趣旨だった。買収目的とする検察側に対し、案里議員側は「陣中見舞いや当選祝い」と反論していた。
 高橋康明裁判長は判決理由で、自民党広島県連が案里議員ではなく別の候補者のみの支援を決めていたことから、「厳しい選挙情勢にあった」と指摘。現金授受の時期や状況を踏まえれば、「投票取りまとめの報酬」と判断した。
 高橋裁判長は夫で元法相の克行被告(57)=衆院広島3区=との共謀について、元法相の書斎から見つかった地元議員らのリストに着目。「元法相が自身や案里議員の現金配布先や金額を取りまとめたもの」とし、元法相主導のもとで共謀関係にあったとした。
 案里議員側は公判で、地元議員らの公選法違反(被買収)罪での刑事処分が見送られていることから、「検察側に迎合した虚偽証言の危険性」を訴えていたが、判決は不処分の是非について言及しなかった。
 判決によると、案里議員は克行元法相と共謀し19年3~5月、選挙運動の報酬として広島県議4人に計160万円を渡した。江田島市議に10万円を渡したとされる起訴内容は、「積極的な関与が認められない」として無罪とした。
 克行元法相は地元議員ら100人に計約2900万円を渡したとされる公選法違反罪で公判中。夫妻は有罪が確定すると失職する。

◆失職の可能性高まる

 無罪を主張していた河井案里議員は控訴を検討しており、東京高裁で再び審理される可能性があるが、有罪が確定すれば当選は無効となり失職する。
 案里議員の選挙を巡っては、車上運動員に違法報酬を支払ったとして公選法違反罪に問われた公設秘書の有罪が最高裁で確定。広島高検は昨年12月、秘書が連座制対象の「組織的選挙運動管理者」に当たるとして、案里議員の当選無効を求める行政訴訟を広島高裁に起こした。検察側が勝訴すれば案里議員は自身の裁判の結果に関係なく失職する。
 また、夫の克行元法相が案里議員の選挙運動全般を取り仕切る「総括主宰者」として有罪確定となれば、その連座制でも当選は無効となる。

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