核兵器禁止条約「署名する考えはない」と菅首相 公明は「日本が関わることに大きな意義」と主張

2021年1月23日 06時00分
22日、参院本会議の代表質問で答弁する菅首相

22日、参院本会議の代表質問で答弁する菅首相

 日本政府は、米国の「核の傘」に依存する安全保障政策を理由に、核兵器禁止条約に署名・批准しない方針だ。菅義偉首相は22日の国会で「わが国の立場に照らし、条約に署名する考えはない」と明言。1年以内に開かれる条約締約国会議のオブザーバー参加にも慎重な姿勢を示した。これに対し、公明党は将来的な条約参加の道は閉ざすべきではないと主張、野党からも早期批准を求める声が上がっている。(柚木まり)
 首相は22日、参院本会議で行われた代表質問での答弁で「核兵器のない世界を実現するためには、現に核兵器を保有する国を巻き込んで核軍縮を進めることが不可欠だ」と強調。核禁条約について「核兵器国のみならず、多くの非核兵器国からも支持を得られていない」と批判した。核兵器国と非核兵器国との「橋渡しに努める決意だ」とも語ったが、具体的な核廃絶の道筋は示さなかった。
 公明党の山口那津男代表は首相への質問で、核禁条約について「『ヒバクシャ』の強い思いの結晶で、核兵器の保有や使用を初めて全面的に禁止した画期的な国際規範だ」と評価。「日本が条約のプロセスにかかわることに大きな意義がある」と、オブザーバー参加を求めた。同日の党会合では「わが国としても、最終的には批准できるような環境を整えていくのがあるべき方向性だ」と語った。
 共産党の志位和夫委員長は22日のコメントで「唯一の戦争被爆国である日本が条約に参加すれば、核兵器のない世界の実現に向けて大きな前向きの変化をつくることは疑いない」と強調。国民民主党なども条約への参加を求める。立憲民主党は同日のコメントで「実効的な核軍縮・核廃絶を実現する」などとしたが、条約参加の是非には直接触れなかった。

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