<新型コロナ>濃厚接触者の観察期間、7~10日に短縮可能か 千葉大などが調査 保健所の業務軽減に期待

2021年1月22日 21時52分

感染者への対応に追われる保健所職員=港区みなと保健所で

 新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者に自宅待機を求める健康観察期間について、港区みなと保健所や千葉大などの研究チームは22日、現在の14日間を7~10日間に短縮できる可能性がある、との調査結果を発表した。同種の調査報告は国内初という。「短縮すれば、社会生活への影響や保健所などの業務の軽減を期待できる」としている。(宮本隆康)

◆95%は感染から10日以内に発症

 研究チームは、2020年4月から11月までに感染が判明した区民1606人のうち、同居者も感染した117カ所の257人を調査。先に発症した117人に比べ、同居者140人が後で発症したのが何日後だったかを検証した。
 この結果、発症日の時間差が7日以内は125人で89・2%。10日以内は134人で95・7%、14日以内は139人で99・2%だった。現在、濃厚接触者はPCR検査などで陰性を確認しても、潜伏期間などを考慮し、感染者との接触から14日間の健康観察が求められている。
 みなと保健所の松本加代所長は「昨年12月からの感染者急増に伴い、濃厚接触者も急激に増えている。少なくとも10日で95%は発症しているので、健康観察期間を10日に短縮することも可能ではないか」と話している。

◆「社会的影響を減らせる」 保健所改善の効果も

 「自宅待機中は会社や学校に行けないなど、健康観察期間の社会的な影響は大きい。濃厚接触者の行動制限は感染拡大防止に有効だが、最小限にするため再検討をしてほしい」。港区みなと保健所の松本加代所長は、こう指摘する。
 厚生労働省は昨年6月、感染者については退院や自宅待機期間を発症から10日間などに短縮した。このため、感染が判明していない濃厚接触者の健康観察期間は感染者よりも4日長い。
 濃厚接触者の健康観察は保健所の業務とされるが、みなと保健所では感染者急増で、高齢者や持病のある人など一部に限り、電話をかけている。一方、全員に毎日電話をしている保健所もあり、期間が短縮されれば感染者対応に今よりも時間を割けるようになる。
 みなと保健所では、11日から17日まで1週間の感染届け出は537人。1カ月前の2・5倍、3カ月前の8倍に増え「業務も同じように増えた」という。松本所長は「助けなければいけない人を確実に医療につなげるためにも、業務を効率化した方がいい」と訴えた。

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