<コロナと生きる@いばらき>筑波大生へ支援の食料20トン 「食べる心配せず安心して勉学を」

2021年1月23日 07時36分

山積みになった食料を次々とバッグに入れていく学生たち=つくば市で

 新型コロナウイルスの感染拡大で、仕送りが減ったり、アルバイトがなくなったりして困窮する筑波大(つくば市)の学生を支援しようと、近隣企業や地元農家、教職員らが手を差し伸べた。大学側の呼び掛けに、コメやインスタント食品など20トンを超す食料が寄せられ、22日、一斉に無料配布された。2970人もの学生が食料を受け取り、「助かった」「感謝しかない」と喜びの声が上がった。 (林容史)
 筑波大事業開発推進室によると、昨年末、学生に現状の生活を聞くと、七割が「アルバイトが減った」と答え、食料の支援を求める声も多く寄せられた。
 このため年明けに、五千人以上いる教職員が、学生のために自宅の食料を持ち寄ることを決めた。併せて企業などにメールで支援を呼び掛けると、スーパーや生協、JA、菓子・飲料メーカー、ロータリークラブなどが相次いで手を挙げた。連日、トラックで物資が大学内に運び込まれ、コメ七トン、カップ麺二万四千個、ペットボトル飲料一万一千本をはじめ缶詰、レトルト食品、乾麺、菓子などが山積みになった。
 この日、配布場所の学生宿舎が立ち並ぶ一帯には、午前十時の開始前から、キャリーケースを引いたり、登山用の大型リュックを背負ったりした学生が続々と集まってきた。食品が山積みになった事務所内に順番に入り、必要な物を選び取っていた。
 医学類四年の宮本和幸さん(22)は「めちゃめちゃ助かった」と、缶詰やレトルト食品を次々とバッグに詰め込んだ。仕送りは月四万円。コロナ禍でバイト先の携帯電話会社のイベントが減り、収入はほとんどなくなった。「今度はコメと野菜」と笑顔で次の配布場所に向かった。
 「こんなに学生がいたのか」。生物資源学類一年の金居新大さん(19)は学生の列に目を見張った。コロナ禍で入学式は中止、オンライン授業が続き、学生が行き交うキャンパスライフとは無縁だったという。
 仕送りは二万五千円で、都内で塾講師をして生活費を賄っている。「東京の大学では絶対にあり得ない地元のサポート。『ありがとう』のひと言に尽きる」
 臨床検査技師を目指し、勉強を続ける医療科学類四年の早川瑠璃子さん(22)は「投資してもらった恩をお返ししたい」と感謝した。大学院に進んで資格を取り、コロナの感染者に対応する医療現場の力になりたいと目を輝かせた。
 コメやレトルト食品などを寄付した卒業生で、酒類食品販売のカクヤスの佐藤順一社長(61)は「コロナ禍で母校の学生が食べ物に窮していることにショックを受けた。二千人ほどの留学生を中心に困難な状況にあると聞いた」と支援に乗り出した理由を説明する。「食べることを心配せず、安心して勉学に励んでほしい」と激励した。

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