<ヒューマンいばらき>山駆ける魅力伝える 石岡トレイルランクラブ会長・山口実(やまぐち・みのる)さん(67)

2021年1月24日 07時22分

筑波山を背にトレイルランの魅力を語る山口実さん=石岡市で

 山道を駆け抜けるトレイルランの普及に尽力する。「車の音も届かない山の中で、鳥のさえずりや風の音を聞きながら走るのは最高だね」
 栃木県真岡市出身。中学から高校の途中まで陸上競技の走り高跳びに打ち込み、中学三年時には県大会で三位に輝いた。
 約三十年前、実家が営む建設会社が親会社の都合で川崎市から石岡市に移転したのを機に、都内の出版社を辞めて石岡市に移住。家業を手伝う傍ら、スポーツジムで知り合った仲間たちと始めたのがトライアスロンだった。生来の運動好きに火が付き、ハワイの大会にも足を運んだ。
 交流の輪が広がる中、「スポーツで地域振興を」と思い立ち、二〇〇五年にNPO法人「石岡総合スポーツクラブ」を立ち上げた。水泳教室やウオーキングイベントを企画したが、ちょうど同年、石岡市が旧八郷町と合併し、新石岡市が誕生。筑波山麓の里山が広がる石岡の魅力を内外に発信する手だてとしてトレイルランに着目した。
 トレイルランは欧米で長く親しまれ、自身もトレーニングに取り入れていた。しかし当時、国内では競技人口も大会も少なく、一般になじみは薄かった。練習会の参加者を募ったものの、応募はわずか三人。それでも一年間継続すると、五十人程度に増えた。
 そして〇九年春、初の大会「いしおかトレイルラン大会」を開催。約百九十人が市内の観光施設「朝日里山学校」周辺を走った。
 一〇年には、トレイルランに特化した「石岡トレイルランクラブ」をスタートする一方、新会社「シンコーシステム」を設立。メインの建設業とともにスポーツ事業部を設置し、クラブ事務局の運営のほか、マラソン大会の計測業務などを請け負う。
 とはいえ、地元の理解はなかなか進まず、農機具がコースの真ん中に置かれるなどのトラブルも発生。大会を告知するチラシをコース周辺の家に配布しながら説明に回った。そうした努力の結果、地元住民もコースの誘導や飲食の補給所の手伝いを引き受けてくれるようになった。
 近年は年に三、四大会を開いてきたが、昨年は新型コロナウイルス禍で大半が中止を余儀なくされた。年明けも予断を許さない状況が続くが、四月の「いしおかトレイルラン大会」は感染防止対策を取った上で開催する予定だ。
 「市内の山は標高がそれほど高くなく、高低差も激しくないため、走るにしても歩くにしても気軽に楽しめる」 (松村真一郎)
     ◇
 トレイルランクラブは月二回、練習会を開催(コロナ禍で今月は中止、二月以降は未定)。入会金千円、年会費三千五百円。問い合わせは事務局=電0299(23)1251=へ。

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