ナバリヌイ氏逮捕に抗議、ロシア国内100都市以上にデモ拡大 拘束者は3500人に

2021年1月24日 21時48分
モスクワ中心部で23日、ナバリヌイ氏の釈放を求めるデモに参加し、治安部隊と対峙する若者ら=AP

モスクワ中心部で23日、ナバリヌイ氏の釈放を求めるデモに参加し、治安部隊と対峙する若者ら=AP

  • モスクワ中心部で23日、ナバリヌイ氏の釈放を求めるデモに参加し、治安部隊と対峙する若者ら=AP
 【モスクワ=小柳悠志、ワシントン=金杉貴雄】ロシアで民主派野党指導者ナバリヌイ氏の釈放を求める23日のデモは、真冬にもかかわらず全国100都市以上で行われるなど異例の規模に拡大した。人権監視団体「OVDインフォ」によると拘束者は約3500人に達した。バイデン米新政権など、欧米諸国はプーチン政権への批判を強めており、国際社会でロシアがさらに孤立する恐れが高まっている。
 ロシアメディアの「MBK」の調査では、全土で11万人以上が抗議デモに参加。4万人以上が参加したモスクワでは、中心部のプーシキン広場に警官らがスクラムを組み、ピースサインをする市民を警棒などで殴打して排除。1200人以上が拘束され、ナバリヌイ氏の妻ユリアさんも一時拘束された。沿道の車からは抗議デモに賛同するクラクションが鳴らされ、デモ隊からは拍手が上がった。
 現場で撮影していた心理学者ブロッホさん(26)は「閉塞感のあるロシアでは変化が必要。ナバリヌイに全面的に賛同するわけではないが、人々を暴力で抑えつける政府は許せない」と語った。市内のワレリーさん(39)は「賃金も上がらないし、年金生活者は貧窮している。ナバリヌイの主張を支持する」と話した。
 西部の飛び地カリーニングラードから極東ウラジオストクまで抗議デモが全国各地で行われたのは、ナバリヌイ氏が率いる団体が、政財界の「賄賂」で建てられたとするプーチン氏の豪華な「宮殿」を動画で暴露した影響も大きいとみられる。
 米政府系メディア「ラジオ自由」によるとモスクワのデモ参加者の65%は35歳以下の若者が占めた。ロシア当局は会員制交流サイト(SNS)による「反プーチン政権」の情報拡散に神経をとがらせ若者にデモに参加しないよう呼び掛けていた。モスクワではデモ開催時、ネットや一部のSNSがつながりにくくなり、政府が通信を妨害した可能性が高い。
 これに対して米国務省は声明を出しプーチン政権のデモ弾圧を強く非難。拘束者やナバリヌイ氏の即時釈放を求め「米国は人権を擁護するため同盟国や友好国と足並みをそろえ立ち上がる」と宣言した。また欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表は自身のツイッターで「幅広い拘束や過剰な力の行使、ネットや電話回線の切断を遺憾に思う」と批判した。
 ナバリヌイ氏は昨年夏、旧ソ連の軍用神経剤「ノビチョク」と同種の猛毒で襲撃され、ドイツでの療養後に帰国し、逮捕された。EUは毒殺未遂にプーチン政権が関わったとしている。

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