原発事故から10年…開く地域差 福島・被災地域の商工会員動向調査 

2021年1月26日 06時00分
 原発事故で避難指示が出た自治体での商工業者の営業再開状況は、事故から10年で地域差が大きくなっている。福島県商工会連合会によると、福島第一原発が立地する大熊、双葉両町の会員は町内での営業が6~12%。隣接する浪江、富岡の両町も20~35%にとどまる。
 この4町内で営業する事業所の業種別では建設業が多く、大熊、双葉では半数前後を占める。一方、小売業は低迷し、地元で営業する会員の割合は4町とも2割に満たない。

◆避難指示は解除されても…人口は事故前の1割程度

 背景には居住する町民の少なさがある。浪江、富岡は2017年3~4月に一部地域で避難指示が解除されたものの、町内の人口はそれぞれ事故前の1割程度の1500人余り。客数の見込みが立たない中では店が増えにくく、店が少ないために町民が戻りづらいという悪循環に陥っている。
 富岡町商工会の経営指導員は「鶏が先か卵が先かの状況。もともとあった店の営業再開は、高齢化などで年々減っていると感じる。新規創業に目を向けるしかない」と話す。

◆避難先での生活再建が進み、廃業するケースも

 浪江町商工会では19~20年に脱会が増え、事故直後は600だった会員数は3割近く減った。同会職員は「町内の被災建物の取り壊しや、避難先での生活再建が進み、廃業される方もいる」と説明する。
 県は、被災地域での地元企業の営業再開や新規創業の助成金を21年度以降も継続できるよう、国と調整している。大熊町商工会長の蜂須賀さんは「地域によって問題は違う。双葉と大熊はこれからだ」と語った。

関連キーワード


おすすめ情報

社会の新着

記事一覧