世界経済21年は5・5%成長見通し ワクチン普及が左右、下振れリスクも

2021年1月27日 00時10分
 【ワシントン=白石亘】国際通貨基金(IMF)は26日、世界経済見通しを改定し、2021年の世界の実質成長率を5.5%と昨年10月時点から0.3ポイント引き上げた。昨年の大きな落ち込みの反動の側面が大きく、新型コロナウイルスのワクチン普及や政府の経済対策も後押しする。ただ先行きはワクチンに左右され、「不確実性は例外的に大きい」としている。

◆20年はマイナス3.5%、大恐慌以来の景気後退

 世界全体の20年の成長率はマイナス3.5%で、0.9ポイント上方修正したものの、平時としては1930年代の大恐慌以来、最悪の景気後退に変わりはない。2020年から6年間の経済損失は累計で22兆ドル(約2300兆円)と試算した。
 日本は20年の成長率は0.2ポイント引き上げマイナス5.1%としたが、リーマン・ショック後の09年(マイナス5.4%)並みに厳しい。21年は政府の経済対策の効果で0.8ポイント上方修正し3.1%とした。
 21年の米国の成長率は5.1%で、経済対策の効果で2.0ポイント引き上げた。ユーロ圏は1.0ポイント下方修正し4.2%。中国は0.1ポイント引き下げ、8.1%。

◆「ウイルス変異とワクチンの競争次第」

 世界経済は今年初めに感染を防ぐ行動制限で弱含んだ後、回復の勢いを増すとIMFは見込むが、先行きは「変異するウイルスとワクチンの競争の結果次第だ」と強調。ワクチンは今年夏までに先進国に普及し、来年末までに大半の国に広がる基本シナリオを描く。
 ワクチン接種が加速する上方シナリオでは今年の世界の成長率を約0.75ポイント押し上げる。逆にワクチン接種が遅れ、免疫効果が持続しない下方シナリオは成長率を約0.75ポイント押し下げる。
 一方、コロナからの回復度合いは国ごとの乖離が大きく、中国はパンデミック(世界的大流行)前の経済活動の水準をすでに昨年末に回復した。これに対し、日米は今年後半までかかるほか、ユーロ圏は来年までずれ込むと予測している。

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